#１５２ ページ6
「さて、次は烏間先生だ。誘い出して人質に取る」
『…業くん、今日って何日？』
「10月17日だよ」
『ここに来た時の時間覚えてる？』
「18時くらいだったかな」
『……なるほど』
誘われてたんだよなぁ、行きたかったんだけど…。なるほどだから死神は今日決行を選んだ。烏間さんも仕事で殺せんせーもブラジルに行く今日この日を。
けれども＿＿＿。
殺せんせーと烏間さんなら来てくれる。絶対に。
「彼ならば…、君達よりかは良い練習台になるだろう。それに彼は捕らえておくと色々とメリットが多いんだ。計画の下準備の仕上げだね」
「…なぁ、イトナ。あっさり降伏なんざ、戦闘狂だったお前とは偉く変わったな」
「あの時は、俺は1人の殺し屋だった」
「死神さーん、モニター見てみ。あんたまた計算違いしたみたいよ」
「……なぜ分かった？」
「今は…俺は
「殺せんせーと烏間先生!!」
「殺せんせー、ブラジル行ってたんじゃ!!」
モニターに映っていたのは何故か犬に変装した殺せんせーとそのリードを持つ烏間さん。
『殺せんせーは試合前にテスト問題を作る「7対1、7対1…」と繰り返してたら現地の人を怒らせてしまう』
「…7対…1……あ!!」
サッカーに詳しい前原くんはハッとした。
『サッカーのにわかファンの殺せんせーは何のことだか分からずに前原くんに電話を掛ける。けれども通じない。殺せんせーは心配症だから他の人にも一応電話をかける。「あれれー？おかしいなぁ」って思って戻ってきたんでしょう。
烏間さんも同じ事よ。仕事で抜けていてそこを貴方は狙ったんでしょうけど、教室に戻ってきたのね。まだ早い時間帯だから生徒達が1人もいないことに違和感を覚えるのは当然。
違和感を覚えた2人の先生は、殺せんせーの嗅覚の良さを使って生徒の匂いを嗅いでここに来た。
あなたにとっての計算外は、「殺せんせーが試合を見ずに帰ってきた事」「烏間さんと一緒に来てしまった事」でしょう？』
そう言うと、死神はにっこり笑った。
「さすがだなぁ!!さすが全国東大模試1位の頭脳だね」
「「「「うええええ…!?!?!?」」」」
「…まいったなぁ、かなり予定が狂ってしまった。仕方ないプラン16だ、イリーナ。まずはエレベーターで所定の位置まで来てもらう」
「……ええ。私の出番ね」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
