#１８５ ページ42
「なんか、私達全く関係ないのに緊張してるよ…？」
「Aがトップ50トップ50言うから〜〜…」
『ごめんて…』
「さーて、もうすぐだよ」
本校舎に張り出された、【二学期期末テスト 総合順位発表】を休み時間に見に行く。
『…なんか、自分の受験より緊張するかも』
「まじで何で？」
渡り廊下を超えて、貼りだされている大きな紙を見上げた。
『…すごい…』
「え、赤髪くん1位じゃん！え…500点？」
「満点…？怖！！！」
クラス内の順位も私は知らない。だから、1人ずつ数えることに。
『…24.25…26.27…28……』
「…E組って28人？」
『…うん、てことは…目標達成したんだ』
「すっごーい!!!!!」
「やるじゃん〜!!!」
『…良かった〜、良かった…。
メールしとこう…っと…』
「今しちゃいなよ」
『ええ!?』
「やれやれ〜！」
『…う、……』
渡り廊下を渡って、教室に戻る。
ブレザーのポケットから携帯を取り出して、業くんとのトーク画面を開いた。
《おめでとう、こっちで確認したよ！
1位すごいね!?難しかったはずなのにすごいすごい！》
『…これでいいかな？』
「Aっぽくていいよ、早く送ろ」
『…よし』
ﾎﾟﾝｯ…と、送るとすぐさま既読がついた。
〈Aちゃんの頼みだからね。頑張ったよ〉
《お疲れ様、ありがとう！》
〈いーえ、デート明後日の土曜で大丈夫？〉
《うん、大丈夫だよ！》
「デートォオオ!?」
私のスマホを覗き見した鈴が声を上げた。
「何だって!?私たちが知らない間にくっついた!?」
「聞いてないけど？そんなこと」
ｽﾞｲｯ…と顔を近づけてくる2人から後ろに少しだけ歩いて離れる。
『ち、違う違う！人のスマホ勝手に覗かないの！』
「どこ行くの？」
『動物園だよ、行きたいって行ったらいいよって』
「あらぁ…。いいねぇ、気になる人とデート」
『へ…？き、気になる…ひと……？』
「…え？違うの？Aって、赤髪くんの事気になってんじゃないの？」
『そ、んなんじゃないよ〜。
ただなんか、ドキドキするだけで…。可愛いとか、綺麗とかそういう事思って欲しいだけだもん』
「…それ、赤髪くんに言ってみたら？」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
