#１５０ ページ4
中村の言葉に、イリーナは冷たく返した。
「…え。いや……身勝手で、欲望に弱くて…男がいないと性��欲で全身が爆発して死ぬ…。あ、割とこんな人か」
「恐い設定付け足すな!!」
「な。なぁ…、ビッチ先生死神の手先になってたのはショックだけどよ」
「その…、今から1人で俺等を相手にするつもり？一応俺等も毎日訓練積んでるし、先生1人じゃ…もう勝負にならないと思うよ」
三村のその声に、イリーナは不敵な笑みを浮かべた。身構えるB班を前にイリーナが「痛ぅ!!」と痛がってしゃがんだ。
いつもの様子のイリーナに、矢田達が近寄った。
「だいじょ…」
ｽｯ…と矢田と三村に麻酔銃を打ち込み、呆気に取られてる岡島と中村に正面から寄りかかり2人に麻酔銃を打ち込む。
足元にあったシートのような物を使い、神崎と速水に同じように麻酔銃を打ち込んだ。
「ず…、ずりぃ…」
「弱ったフリするなんて、一瞬…心配しちゃった、じゃん…」
「訓練にはなかったでしょう。こんな動き。
経験の差よ、修羅場を踏んだ数が違うと心得なさい」
ﾄﾞｻｧｯ…と残りのB班全員が倒れ込んだ。そこへ死神がやってくる。
「なんだ、君1人に負けちゃったか」
「あんたの言った通りだったわ、やっぱりこの子達とは組む価値が無い」
「そういうこと、世界が違う。この子達が透明な空気を吸ってる間、僕達は血煙を吸って生きてきたんだ」
「(…そう、世界が違う。あんたともよ…カラスマ)」
「だが、それにしても呆気ない。もう少し戦術や用意があるものだとワクワクしていたんだが…」
ｽｯ…と戦闘に不向きなC班の前に死神が現れた。
「他の班は全員捕えた。もう充分だ、君達では僕の練習相手は務まらない。どうする？大人しく捕まるか、戦闘に不向きなそのメンバーで絶望的な戦いを挑むか」
「……上等だよ、行くぜイトナ!!俺とてめぇで叩きのめすぞ!!」
その言葉に、イトナは返事しなかった。イトナの脳裏を過ぎったのは
「…………
＿＿＿「イトナくん。シロさんが君に施した肉体改造は徐々に薄れ…、君の体は自然な中学生に戻りつつあります。だから、しばらくは無理な動きをしては駄目です。昨日越せたカベも今日は越せない危険がある。
そのような越せないカベと出会った時は」
降伏だ。
多分格が違う。戦っても損害だけだ、今日敗北してもいい。いつか勝つまでチャンスを待つ」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
