#１６４ ページ18
「極小の弾丸は血流に流され体の奥へ、銃声もしないから凶器すら分からない。標的の体と精神の波長を見極め、鍛え抜かれた動体視力で急所を撃ち抜く。
死神にしかできない総合芸術さ」
烏間が瀕死状態だと悟った死神はゆっくり近づいた。
その時、違和感に気がついた。
烏間の胸に、皮膚と同じ色のチューブが貼っておりそこから血が出ていたのだ。
その正体は、殺せんせー。
「(これは、
動揺した死神に、ｽﾞﾝｯと拳で強烈な金的を喰らわせた烏間。
「うぐおおおおおお!!?」
「やっと決定的な隙を見せたな、死神でも急所は同じでホッとしたぞ」
殺せんせーは、死神の
血管の位置に触手を貼り、それで弾丸を受け止めトマトジュースで出血したように見せたのだ。
「「私も一緒の空間にいるなら必ず守れる」と言っていた。狙う標的に守られるのは癪だがな。覚悟はいいな死神。俺の大事な生徒と同僚に手を出したんだ」
そこを、静かにイリーナが壁に設立されていた階段を降りていた。イリーナは烏間の言葉に頬を赤くさせた。
「待てッ、僕以外に誰が奴をやれると」
「
ｺﾞｯと凄まじい音が死神の頬から聞こえる。そのまま死神は一回転し、その反動で後ろの壁に頭を強打し気絶した。
「殺し屋なんて辞めたらどうだ、職安に行けば役立つ
.
.
.
「全生徒と全先生、クラス皆で掴んだ勝利ですねぇ」
その言葉に、安心しきった私はﾄﾞｻｯ…と倒れ込んでしまった。
「Aちゃん!!?」
駆け寄ってきた業くんに、笑顔を見せる。
『大丈夫だよ、業くん』
「緊張が解けて力が抜けてしまったんでしょう。ここにいた時はずっと気を張っていたでしょうから」
烏間さんとイリーナ先生が戻って来ると、死神から取ったスマホをぐぐぐ…と悔しそうに睨みつけた。
「ぬぬ…、ぐっ…。何とか…何とか手は無いものか。こいつ
その言葉に、殺せんせーは「ぷーくすくす」と笑っていた。
「考えても無駄ですねぇ、殺せんせー。
出ようと思えば出れるんですこんな檻。マッハまで加速して壁に何度も体当たりしたり、音波放射でコンクリートを脆くしたりね。
ただそれはどれも一緒にいる生徒にとても大きな負担をかける、だから貴方に
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
