椚ヶ丘高校の生徒会長 4【暗殺教室】 (ページ13)

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仕掛けたトラップを全て迅速に破られた死神は、烏間の想定外の化け物さに思案していた。

「(操作室を占拠して水を流す前に追いつかれる。まぁ檻の中の標的に脱出の動きは見えないし…、仕方ない。止まって迎え撃つか)」

壁の出っ張った所から、顔をのぞかせる烏間。その殺気に気づき瞬時に顔を隠す。

「くっ…」

「殺気の察知も完璧か。正直見くびっていたよ、烏間先生」

「まるでトラップの見本市だな、多彩なもんだな」

「人殺しの技術(スキル)を身につけたらね、片っ端から使いたくなるのが殺し屋の性さ」

ｽﾞｷｭｯ…と烏間の頬をえぐり隠れていた柱に弾痕が残った。
咄嗟に後ろを振り返って拳銃を構える烏間。

「(お次は人の心理を操る技術(スキル)さ)

ちゃんと当てなよ、イリーナ」

「ごめんね。次はちゃんと当てるわ」

「………死ぬぞ。イリーナ」

「死ぬなんて覚悟の上よ。アンタには理解出来ないだろうけどカレは理解(わか)ってくれた。「僕とお前は同じだ」って」

「そうだね、昔話をしてあげたっけ。
テロが絶えない貧困のスラムに生まれ、命なんてすぐ消えるあやふやな世界。信頼出来るのは金と己が技術(スキル)と「殺せば人は死ぬ」ということだけ。

イリーナなら僕の気持ちを分かってくれる。たとえ……」

死神は、タブレットのボタンを押した。その瞬間、ﾄﾞｩﾝｯと爆発音が聞こえﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯと天井が烏間とイリーナに崩れ落ちていく。

「僕が君を捨て石に使おうとね」

烏間は、大きい破片の壁に隠れ難を逃れた。

「ぐ…、天井全てを落とすとは…」

「生きてるとはさすがだな。だが閉じ込めた。恐らく君やタコ単独だったらこのトラップも抜けただろう。彼女はそんな怪物を惑わす為だけに雇った」

烏間が後ろを振り返ると、イリーナが瓦礫の下敷きになっており、破片の1部が彼女の腕や背中に刺さっているのか血だらけになっていた。
それをみた烏間は、口を大きく開けた。

「可愛らしいくらい迷ってたよね、彼女。かつての仲間を巻き込んでいいものか。その迷いは伝染する。君も彼女を攻撃すべきか迷った。結果君は彼女を気にして反応が遅れた。

これで当分おってこれまい。遠慮なく最後の仕上げに入るとしよう」

「…くっ」

ゆらり、と歩いていく死神を見て烏間は歯を食いしばった。

「烏間先生!!」

ズボンのポケットに入れていたスマホから殺せんせーの声が聞こえてきた。