#１５８ ページ12
その言葉を聞いた木村くんが肩を落として少し俯いた。
「勝てないわけだ、才能も積み上げてきた
「…そう、彼等は強い。それにこの牢屋もとても
では、君達はどうしますか？
今この場で彼等や檻より強くなるか？
彼等にはとてもかなわないと土俵を降りるか？
両方とも違いますね、弱いなら弱いなりの戦法がある。いつもやってる暗殺の発想で戦うんです」
「…つってもなぁ、この状態でどーやって」
三村くんがキョロキョロと辺りを見回す。
「…全部がうまくいけばの話だけど、出来るかも。死神に一泡吹かすこと。まぁ…Aちゃんがちょっと問題なんだよな、それをするには…」
三村くんが私を見ながらそう言った。何か分からない私は首を傾げるしかない。殺せんせーが笑って懐から何かを取り出した。
「ヌルフフフ。こんな時もあろうかと予備の超体育着を持って来ました」
『え…、っと？』
「なら、大丈夫だ!!」
『うん？』
「殺せんせー、ビッチ先生が投げてった首輪拾えるか？」
「ええ、任せてください」
その首輪を興味深そうにじっと見つめるイトナくん。
「俺等のとも、Aちゃんのとも同型だよな、どーだイトナ？」
「
「…だ、そうで殺せんせー、頼むよ」
「お易い御用です。死神も首輪を解析されるのは想定外でしょう」
ﾊﾞｷｯと皆の首輪を外していく殺せんせー。
皆の安全が確保された所で、手錠も外していく。
「………」
手錠が外され、自分の手をじっとみる渚くんに業くんが話しかけた。
「どーしたの渚くん。何が見えてんの？」
「あ、いや。まだ縛られてるフリしないと…、それで三村くん次は？」
「ああ、岡島。防犯カメラは？」
岡島くんは防犯カメラをじっと見つめていた。
「強めの魚眼だな。忙しい時でも一目見れば部屋全体をチェックできる。それと檻の外、絶対に壊されない位置に1つ。この2つに死角はないけど、お前の読み通り
『…へぇ……』
「モニターを見る限り魚眼補正もしてないし、盗撮するなら高い機材使わなきゃ」
「その見えづらい所に上手く隠れる。菅谷できる？」
「おう」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
