#１５７ ページ11
「「「………」」」
「…え、何が起こった。今」
「爆発に巻き込まれた烏間先生が、次の瞬間何事もなく進んでったぞ」
何が起こっているか分からない皆。殺せんせーがニヤリと笑って私に問いかけた。
「Aさん今何が起きたか理解してますか？」
『ええ。もちろん。烏間さんはトラップの内容を見抜いていた、この短時間に仕掛けられるのは爆薬まで、しかも建物全体を壊す量ではない。それを見越して、そのままドアを開けて爆風と同じ速さで後ろ受け身を取った。
ドアも盾になり、烏間さんにはほとんど爆発は届かなかった……ですかね？』
「ええ。ご名答です」
私の言葉に、目玉が飛び出るくらい見開く磯貝くんと前原くん。
「冗談だろ!?」
「判断も行動もあの一瞬でやれねぇよ!!」
『…ははは、』
岡島くんと杉野くんのツッコミに苦笑してしまう。
原ちゃんが焦ったように声を荒らげた。
「行っちゃダメ烏間先生!!多分そこの曲がり角に!!」
ﾄﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｯと凄まじい銃声音が聞こえてきた。
「犬!?」
『…ワンちゃん』
「………」
隣にいた業くんが頭を抱えていた。
『…どうしたの？業くん、ワンちゃん苦手？』
「いや、うんもう…えと、大丈夫」
『うん？』
「銃を撃てるように調教されたドーベルマン。あれだけの数をきっちりと仕込んで使いこなすとは…死神の手腕ですねぇ」
何故かワンちゃんに再び変装した殺せんせー。
烏間さんは、苦い顔をしていた。さすがに烏間さんも…そう思っていると、ﾆｺｫ…と不気…素晴らしい笑顔で通り抜けていった。
ワンちゃん達がﾋﾞｸｯとして道を開けた。烏間さんが抜けたあとの犬はﾌﾟﾙﾌﾟﾙ震えていた。最後の犬の頭を軽く撫でた烏間さんは何もせずにその場を切り抜けた。
「「「(え、笑顔ひとつで抜けおった!!!)」」」
「…いやでも、犬の気持ちちょっと分かるわ。あの人の笑顔メチャクチャ怖えーもん。笑ってたシーン思い出してみ、半分はヒトを襲ってる時だぜ」
「そう。普段は強い理性で押さえ込んでいますが、烏間先生の真価はその奥に潜む暴力的な野生!!彼もまた、この暗殺教室に引き寄せられた比類なき猛者なのです」
ﾌﾞﾝｯ…と自分に向かってきた鉄骨に逃げること無く右腕と左手で抑え込み
クロスボウの矢を素手で握る烏間さん。
「そして死神という殺し屋もこの短時間にあれだけの罠を仕込むとは…」
「「「「(じ、人類最強決定戦!!)」」」」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
