#１４８ ページ2
「死神は必ず、不意打ちで襲って来る。殺し屋って人種は正面戦闘は得意じゃない。多数でかかればこっちが有利なのは経験済みだ。不意打ちをかわしてバトルに持ち込む。
皆で一斉に
スタンガンの電源を入れて、ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯと電気を走らせる前原。
そこへ、ｶﾂｰﾝｶﾂｰﾝｶﾂｰﾝと靴の音が聞こえてきた。その姿に戦慄するA班。
「えっ…」
「何で…堂々と、正面から…」
「(姿が、見えない)」
その姿は、黒いモヤがかかっていてはっきりと分からない。
吉田と村松が2人がかりでスタンガンを手に死神に迫る。ふわっ…と避けられて、両肘で背中を殴られ気絶されてしまう。
「殺し屋になって1番最初に磨いたのは───。
正面戦闘の
木村の顎を思いっきり殴り、その反動で木村は天井に叩きつけられた。
「殺し屋には99%必要のない
死神は前原と磯貝に目を向けた。2人がスタンガンを構えると死神はその間を颯爽と通り抜けた。
「「「(か、烏間先生より……速っ…)」」」
茅野の横に凄まじいスピードで回り込んだ死神はそのまま。茅野のお腹に蹴りを喰らわす。ﾒｷﾊﾞｷﾍﾞｷｯ…という音が響く。
「……っと、アバラ折っちゃったか。女子はさすがに脆いな、残りの人質はもう粗末に扱えないな」
それを見た渚が、ナイフを片手に前に出た。
「どいて…、皆！僕が殺る」
怒っているが、目は冷静だった。生徒達は同時に思った「ねこだまし」をやる気だと。先程の茅野のバキバキ音は超体育着の防御機能が、正常に作動した音。
それを、死神はアバラが折れた音だと勘違いしそれに渚が激怒していると思っている。
「(この両手で…！)」
渚が前に進んだ瞬間、死神が両手を合わせた。ﾊﾟｧｧﾝｯと猫騙しよりも遥かに強い音波が渚を襲い動けなくなった。
「な…」
消えて、後ろに回られた死神を見て業が察する。
「(あー…、こりゃ無理だ)」
腹、頬、後頭部にそれぞれ打撃を喰らった彼等は倒れていく。
「「クラップスタナー」ロヴロや君のでは単なる猫騙しだ、この
「(これが……最高のレベル)」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
