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組織には似合いそうもないアンティーク調の木製扉を前に、スコッチは立ち尽くしていた。ノックしようにも、どうしてもその手を止めてしまうのだった。
「こんにちは、スコッチ。今日は何の御用で?」
からんからん、とガラス同士がぶつかり合う音が聞こえたかと思うと、今度聞こえてきたのはルシアンの声だった。
スコッチが振り返ると予想通り、ルシアン。と、ガラス瓶。
「ちょっと待ってて。これを置いたらすぐに珈琲を用意するから……」
彼女がドアノブに手を伸ばすと同時に抱えているガラス瓶達がからんからんと、先程よりも大きな音をたて始める。
その様子を見かねたスコッチは彼女の代わりに扉を開けてやる。
「ああ、ありがとう。そういうことするのはバーボンだけかと思ってた」
「この組織唯一の紳士ってか?」
「ん、多分。んしょ」
瓶が音を立ててデスクの上に置かれる。
その後彼女はてきぱきと珈琲を入れる準備をし始めた。
「ここの扉が木……
end/琥珀色の舞い
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雨屋まほろ(プロフ) - 綺藤さん» 好んで読んでいただけたこと、大変嬉しく思います。すすんで読書をしてこなかったツケが回ってきたのか執筆が滞ってしまうことも多々あるのですがそのお言葉を糧にして執筆、頑張りたいと思います。ありがとうございました。 (2017年4月5日 17時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
綺藤(プロフ) - 前作から読ませていただいており、作者様の作品が大好きです!!更新頑張ってくださいね!! (2017年4月4日 22時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
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