56.漆黒の特急 ページ7
そう言えば、哀ちゃんの本名とか聞いた事なかったっけ。
色々ありそうな人間関係も、聞く必要がないと思ってあの時は聞かなかったし。
というか、諸星大って誰?
零くんとライバル関係にあったって…それは組織内に限った話なのかしら。
《えぇ。僕の睨んだ通り、あの男はFBIの犬でね。組織を裏切った後、消されたっていうのがどうにも信じがたくて…あの男に変装し関係者の周りをしばらくうろついて反応を見ていたんです。おかげであの男が本当に死んでいる事が分かりましたけどね。》
『!?』
FBI…?
裏切って消されたって、もしかしてその諸星大って赤井さんのこと…?
ライバル関係って…じゃあ私、この前のカーチェイスの時赤井さんって言ってたらまずかったって事よね…。
自分が思わぬ爆弾を落としかけていた事を自覚して思わず身震いする。
再び耳を澄まして聞いてみれば、零くんと哀ちゃんに変装したキッドは貨物車に移動したようだ。
《ご心配なく、僕は君を生きたまま組織に連れ戻すつもりですから。この爆弾で連結部分を破壊してその貨物車だけを切り離し、停まり次第僕の仲間が君を回収するという段取りです。その間、君には少々気絶をしてもらいますがね。まぁ大丈夫、扉から離れた位置に寝てもらいますので爆発に巻き込まれる心配は…》
《大丈夫じゃないみたいよ。》
その時、哀ちゃんではなく、彼女に扮しているキッドが口を開いた。何かあったの?
《この貨物車の中、爆弾だらけみたいだし。どうやら段取りに手違いがあったようね。》
その後、零くんは一緒に来るように促したが、キッドはそのまま貨物車に篭ってしまったらしい。
そうなってしまえば会話も何もない。
哀ちゃんもそう悟ってスマホを切ってしまった。
『ねぇ、貨物車に爆弾があるって言ってたけど…』
「工藤くんも、それを分かっててキッドに貨物車から出ないように指示したんでしょ。彼愛用のハンググライダーも貨物車に隠してると踏んで。」
だといいんだけど…。
それにしても、零くんはキッドが扮した哀ちゃんを殺さずに組織に連れ戻すと言っていた。
とりあえず彼の中に殺すという選択肢がなくてよかった。
安堵の息を吐いた時、列車の後方から爆発音が2回した。
『!?』
もしかしてと思って窓から列車後方を見てみたら、橋の上で切り離されたであろう貨物車が黒煙を上げて炎上している。
き、キッド…本当に大丈夫なの…?
それに零くんも…
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YuasA(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます!次回も楽しんで貰えるよう頑張ります! (2022年1月19日 0時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 最高過ぎます!毎回楽しみです!!ありがとうございます!ありがとうございます!!! (2022年1月18日 23時) (レス) @page50 id: 0b35b5e05a (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!もっとニヤニヤできる作品に出来るよう頑張ります! (2022年1月18日 22時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 最高です!ニヤニヤが止まりません… (2022年1月18日 20時) (レス) @page49 id: bf2afdf343 (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます!次からも面白い作品になるよう頑張ります! (2022年1月8日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月6日 19時