83.護衛 ページ34
『じゃあ来週の月曜から水曜までの3日間、大学が終わったらタクシーで病院まで来て。帰りは私が護衛するわ。』
「え!?で、でも…そんな護衛なんて…!」
『沙羅ちゃんが足音を聞き始めたのは3週間前から。きっとストーカーの方も沙羅ちゃんのルーティンは把握してきているはず。このままだと近いうちにも余裕が出てきたストーカーが直接行動を起こしかねないわ。』
流石にまだ妊娠初期の彼女に被害が出れば、最悪流産なんて事も有り得る。
そんな事絶対にさせない。
『今は沙羅ちゃんにとっても、お腹の赤ちゃんにとってもすごく大切な時期なの。…私に沙羅ちゃんを助ける手伝いをさせて?』
彼女は苦しんでいる。悩んでいる。
でもそれを身近な人に打ち明けられないでいる。
そんな中、私に相談をしてくれた。
それが答え。
『…相談してくれて、ありがとう。』
「ッ…ありがとう…!」
授かった命を危険に晒すことはできない。
それに沙羅ちゃんも。
『でも1つだけ。もし私が危ないと判断した場合は、彼氏さんや警察にも相談するつもりでいる。それは了承して欲しい。』
「え…」
『あくまで私がするのは護衛。少しでも危険だと思ったら、無茶せずに本職の刑事さんたちに任せる。』
「そ、それはやめて…!!お願いします!!彼にこれ以上負担はかけたくないの…!!」
思っていた以上に、沙羅ちゃんは彼氏さんにストーカーの件を知られたくないようだ。
『でも…』
「彼、この前も無理に残業して体調崩してたの…。私がストーカーに遭ってるなんて知ったら、絶対に心配だって言って無理に私の送り迎えするって言う…。だから彼の前では心配かけないようにしないといけないの…!!」
『……』
「お願い!!警察に相談するのはまだいいけど、彼にだけは…!!」
必死に頭を何度も下げて頼み込んでくる彼女に、何とも言えない気持ちになる。
余程彼の事が大切なんだろう。
その想いは痛いほど彼女の様子から伝わってくる。
けど……
『……分かったわ。彼には言わない。』
これは、また話をしなきゃいけないかも…。
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YuasA(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます!次回も楽しんで貰えるよう頑張ります! (2022年1月19日 0時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 最高過ぎます!毎回楽しみです!!ありがとうございます!ありがとうございます!!! (2022年1月18日 23時) (レス) @page50 id: 0b35b5e05a (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!もっとニヤニヤできる作品に出来るよう頑張ります! (2022年1月18日 22時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 最高です!ニヤニヤが止まりません… (2022年1月18日 20時) (レス) @page49 id: bf2afdf343 (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます!次からも面白い作品になるよう頑張ります! (2022年1月8日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月6日 19時