75.相談 降谷side ページ26
『……』
「……何か用か？」
『…うーん、強いて言うなら“安室さん”の方に用が。』
「ややこしい。」
平日の午前中。
学生たちもまだ学校で、ポアロも閑散としていて客は夜勤明けのAのみ。
荷物を隣の椅子に置いて当の本人は頬杖をついてこちらを凝視している。
『…今日梓さんいないの？』
「…僕に用があるんじゃなかったんですか？」
安室に用があると言ったクセに梓さんの姿を探す彼女。
「…梓さんは用事があるとかで今日はシフトに入っていませんよ。」
『うーん…』
それでも尚何か悩んでいる素振りを隠す気がないのは、話を聞いてもらいたいが抵抗があるということ。
というか安室の方に用ってなんだ…？
『…安室さんってさ、女子高生とかから人気だよね？』
「？まぁよく話しかけられはしますね。」
そう答えればまた考え込むような仕草をしてから手招きされた。
カウンター越しだと届かないので、Aの側まで近付いて耳を貸す。
一瞬迷ったような顔をしたが、ここまできて諦めたのかゆっくりと耳元で口を開いた。
『……近頃、未成年の中絶希望者が多いのよ。』
「…あー…なるほど理解した。」
想像してたよりもデリケートな内容に一瞬思考が止まるが何とか頭を回転させる。
「毛利先生じゃなくて僕に相談したのは、蘭さんを不安にさせるかもしれないから？」
『…学校とかは違えど、女子高生が狙われてるなんて知ったら不安になるでしょう。』
赤の他人の依頼人ならまだしも、親しいAからの依頼などは娘である蘭さんに話が漏れてしまうかもしれない。
それにA自身が被害に遭ったわけではないから警察に相談もできない。
だから探偵でもあり、警察関係者である僕に相談したのか。
ギリギリまで悩んでいたのは僕が男だからだろうな。梓さんがいれば梓さんからそう言う情報を得ようとしていたんだろう。
ｶﾗﾝｯ
「いらっしゃいませ！」
本当は話せる範囲で詳しい話を聞きたかったが、お客さんが来店してしまった。
咄嗟にAも俺も空気感を元に戻す。
「…シフト上がってからでよければ詳しい話を聞いてやる。17時にここに来てくれ。」
『…はーい』
こっそりと場所を書いたメモをAのバッグに落とせば、それを見ていたAはどこかムスッとした様子で返事をした。
……そんなに降谷零として話すのが不服か。
『(零くんとしての会話は万が一新一くんに聞かれたら困るから外では控えて欲しいんだけど…)』
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YuasA(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます！次回も楽しんで貰えるよう頑張ります！ (2022年1月19日 0時) (
レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 最高過ぎます！毎回楽しみです！！ありがとうございます！ありがとうございます！！！ (2022年1月18日 23時) (レス) @page50 id: 0b35b5e05a (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます！もっとニヤニヤできる作品に出来るよう頑張ります！ (2022年1月18日 22時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 最高です！ニヤニヤが止まりません… (2022年1月18日 20時) (レス) @page49 id: bf2afdf343 (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます！次からも面白い作品になるよう頑張ります！ (2022年1月8日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YuasA | 作成日時：2022年1月6日 19時
