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ゆっくり時間を掛けて自分たちに似合うリングを買った二人は、店を後にした。
貴方『結局、お互い戦いの邪魔にならないシンプルな物にしたわね』
ロー「その方が長持ちするだろ」
貴方『そうね』
ローの手に持つリングが入った袋を見て、ナナシは口を開く。
貴方『何気に初めてじゃない？お揃いのもの持つの』
それを聞いて、ローはナナシを見つめて、少し溜息をついた。
ロー「思ってはいたが、やはり気づいていないか」
貴方『？…何かお揃いのものあったかしら？』
ロー「教会に寄った時、俺の名を教えただろ？」
「リングだけじゃねぇ。お前に俺の名が付くんだ」
その一言で、
貴方『！？』
ナナシは固まった。
貴方『…ぁ…え？』
貴方(私の名前に、ローの名が付く…)
前に教会に寄った時のことを思い出す。
確かにローの本当の名前を伝えられたけど、そんな意味もあったなんて思わなかった。
貴方(お揃いの名前…)
漸く気づいて、
目頭が熱くなった。
ロー「！おい！泣くな」
貴方『だっでぇ…』
目一杯溜めて落ちそうな涙を、ローは目が腫れないように優しく拭ってあげた。
貴方『グズ…』
自分が絶望の中で生きようと決めた日に付けたこの名前に、
ローと結ばれた証が付く。
貴方『うぅ…ロー』
ローに抱き着くナナシ。
ロー「ったく。この鈍感」フッ
貴方『ごめん。でも、すごく嬉しい』
ロー「あぁ。俺もだ」
泣き止んで落ち着いたナナシと手を繋ぎ、歩き出す。
貴方(ずっと、憧れだった)
子供の頃、旅で何度も見かけた幸せな家庭。
それは、自分には縁のないものだと決めつけていた。
フレバンスにいた時も、ローやラミのお世話もして、自分もその一員になれたような気がして、教会で過ごす日々が好きだった。
貴方(そんなローと本当の家族になれるなんて、昔の私は思いもしなかった)
無意識にギュッとローと繋ぐ手に力が入る。
ロー「！どうした？」
貴方『ううん。結婚式、楽しみだなって』
ロー「フッ。あぁ」
ギュッと握り返してきたロー。
二人は日が暮れるまで、久々のデートを堪能した。
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『ローの服はもう選んだの？』
「ついさっきな」
『見てみたい』
「お互い様だろ。だが当日の楽しみだな」
『フフッ。待ち遠しいわ』
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瑠璃アゲハ(プロフ) - サナさん» ありがとうございます(TдT)逆に短編集が苦手で、細かく設定して書くことが得意のようで（？）、ここまで読んで下さり本当にありがとうございます！ゆっくりですが、まだまだ更新していきます。（返事遅れて大変申し訳ございません！） (2022年10月19日 0時) (
レス) id: e329dcadda (このIDを非表示/違反報告)
サナ - すごい！こんなにお話書けるなんて……！私はこんなに長くならなさそう。めんどくさがりですから……本当にこのお話好きです！ (2022年8月1日 16時) (レス) @page1 id: 53aa059dce (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃アゲハ(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» こちらこそ本当にありがとうございます😭これからも頑張るね！いい感じに書けて良かったです！ (2022年7月26日 13時) (レス) id: 46065135cc (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - あーげーはーちゃーーーん！！もう最高！！ローさんお出迎えの時可愛すぎだし🌸ちゃんも素直で健気で‥幸せな時間をありがとーっっ！！お疲れさま👋😃 (2022年7月26日 13時) (レス) @page48 id: eed0fd2e0d (このIDを非表示/違反報告)
景璃(プロフ) - 瑠璃アゲハさん» ありがとうございます!!楽しみに待ってますね！幾らでも待ちます！ (2022年1月11日 1時) (レス) id: 0eef4a91ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃アゲハ | 作成日時：2021年3月30日 18時
