・仲直り ページ49
ローは船に戻った。
ロー(あいつの部屋か…)
コツコツと足音を立て、（ナナシ）の部屋の前に着く。
……いる…
だがどんな顔をして、どんな言葉を掛けたらいいのか、相変わらず分からない。
ここに来たのは何も考えずに行動しただけ。
ロー(俺らしくねぇ…)
ドアノブに手を掛けて、ガチャリと回して開ける。
（ナナシ）は自分に背を向けた状態でベッドに横になっていた。
グズっ
静かな空間に、一瞬鼻のすすり泣き声が響く。
ロー「……まだ泣いてんのか」
貴方『………』
モゾモゾと動かし、ローへ顔を向ける（ナナシ）。
目が少し赤くなっていた。
ローはベッドに腰を掛けて、（ナナシ）の目尻にキスした。
割れ物に触れるような優しいキス。
少ししょっぱい味がした。
ロー「すまない」
貴方『…私も…ローを不安にさせちゃってごめん。でも、本当に何もない…』
ロー「分かってる」
ロー(お前がそんな奴じゃないくらい)
ロー「もう何も言わなくて良い。笑ってくれ。お前の泣き顔はもう、見たくない」
ポンポンと優しく（ナナシ）の頭を撫でる。
貴方『……ギュッて、して？』
ロー(…それでいいのか？)
（ナナシ）は起き上がってローに抱き着く。
目を閉じて、いつもより長めで、ローの匂いと心臓の鼓動を感じながら、気が済むまでローを抱き締めた。
貴方『…うん。これで仲直り。ローとのケンカは二度とごめんだわ』
腕を解き、ほんの少し、ローに微笑んだ。
ロー「そうだな」
ローは（ナナシ）の目尻にまだ残っている涙を親指で優しく拭き取った。
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瑠璃アゲハ(プロフ) - hinaさん» コメントありがとうございます！ヒロインに嫉妬ですか！確かに書いたことがない話ですね！シチュエーション考えてみます！ありがとうございます！ (2020年11月23日 1時) (
レス) id: b1b687d56b (このIDを非表示/違反報告)
hina - 次はももちゃんに嫉妬とかどうですか？ (2020年11月22日 21時) (レス) id: c9859b37ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃アゲハ | 作成日時：2020年10月31日 18時
