【第3話】報告 ページ4
【書記室】
ーコンコンッー
椎名「どうぞ。」
「失礼します!椎名ー!聞いて!」
椎名「どうなさいました?」
「あのね、私、メシアに選ばれたの!」
さっきもらった紙を広げて見せる。
椎名「……!…おめでとうございます。」
「ありがとう!」
椎名「他の使用人にはお伝えしましたか?」
「伊織は傍で聞いてた。あと、バイオリン指導してた百合野には伝えたよ。」
椎名「左様でございますか…。」
「他の人にも言ってくる!」
早く皆に伝えたい!
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[それぞれの反応]
「隈川ー!私、メシアになったの!」
隈川「それは……おめでとうございます。」
「香川ー、能見ー!見てみてー!」
香川「お嬢様……っ」
能見「…素晴らしい事ですよ。」
「古谷!じゃーん!メシアになったんだよ!」
古谷「………おめでとうございます。」
「ねぇ、瑞沢!私ね…!」
瑞沢「ぁ、…お、おめでとうございますっ。」
どうして?何で皆…そんなに悲しそうな顔するの?
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【午後16時50分】
「お父様!おかえりなさい!」
大旦那「ただいま、A。良い子にしてたか?」
「うん!今日、お父様が帰ってくるって聞いて1日頑張ったんだよ!それにね、お父様…」
大旦那「なんだい?」
「今日ね、市長さんがここに来て、これを渡されたの!」
大旦那「!それは…っ」
「私、メシアに選ばれたんだ!でも皆、悲しそうな顔するんだもん。」
私が俯くとお父様は優しく抱きしめてくれた。
「お父様?」
大旦那「A…Aっ」
「私はここにいるよ?」
何故か啜り泣くお父様。そんなに嬉しかったのかしら。でも、やっぱりお父様も悲しそう。
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【会議室】Noside
午後21時。突如集められた椎名、伊織、古谷、香川、能見、隈川、百合野、瑞沢、環の9人。
大旦那「皆、急にすまない。」
椎名「いえ。ところで要件は…。」
大旦那「Aの事だ。メシアに選ばれたと報告受けた時、何故表情を崩した。」
瑞沢「申し訳ございません!」
隈川「ですが…っ」
大旦那「分かってる。私だって受け入れたくない。」
能見「何故、Aお嬢様が…。」
古谷「運命、なのでしょう…。」
それぞれ俯く、拳を強く握りしめるなど悔しい表情を見せる中、泣く者も。
大旦那「そこで、私からお前達に報告だ。
お前達9人、彼女と共に任務に行ってもらう事にした。」
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作者名:Rui1956 | 作成日時:2021年1月20日 1時