【第1話】日常のはじまり ページ2
チュンチュン、チュン…
小鳥の囀る音がする。朝か…。
カーテンの僅かな隙間から差し込む光が眩しい為、布団に潜る。
「んんっ、(もう少し寝よ…)」
隈川「お嬢様、お目覚めの時間でございます。」
「………ぃゃ、です…。」
何としてでも二度寝してやる。
隈川「はぁ、仕方ありませんね。」
よし、諦めた。
━━と、思っていたら…
バサッ!
「ちょっとぉ?!」
布団を剥がされてしまった。
隈川「どうしてこうもしないと起きられないのですか。」
「だって…眠いんだもん…。」
隈川「はぁ…今日はとても嬉しいご報告がございますのに…。」
「え、なに?」
隈川「大旦那様が半年ぶりにご帰宅されるのですよ。」
お父様が!?その報告に思わず頬が緩む。
隈川「朝からこの調子では、大旦那様に悪いご報告となってしm…」
「おはよう、隈川!」
隈川「はい、おはようございます。」
私は急いで着替えて食堂に向かった。
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【食堂】
ドタドタドタドタッ…バタンッ
「皆、おはよう!」
中に入り、次々と執事達と挨拶を交わす。
香川「Aお嬢様、おはようございます。何か嬉しい事でもございましたか?」
「え、何で分かるの?」
香川「お嬢様は、嬉しい事があるといつも屋敷内を走り回る癖がございますから。」
「ゔぅっ…」
香川「いくら屋敷内が広いとはいえ、使用人も沢山いますから、お気をつけください。」
「はい、ごめんなさい。お父様が半年ぶりに帰ってくるって聞いて…つい。」
伊織「それは嬉しい事ですね。大旦那様の事が大好きなお嬢様にとっては一番のご褒美ですね。」
「うん!……わぁ!美味しそう!私の一番好きなモーニングプレートだ!」
伊織「オムレツにはチーズも入っておりますよ。」
「伊織、ありがとぉ。」
チーズは私の大好物の1つ。いただきます、と手を合わせ早速オムレツを1口食べると、いつものふわふわトロトロの優しい味。
「美味しいぃっ…幸せぇ…。」
あっという間に完食して再び手を合わせ、席を立つ。
能見「お嬢様。今日の1日の日程ですが…。このあと10時から歴史と数学のお勉強、11時半になりましたら15分休憩いたしまして、そこから12時15分まで乗馬とし、12時半になりましたら昼食でございます。」
「はーい。」
私も一応、15の学生だからお勉強はするけどよりによって苦手な分野…。でも、今日は頑張ろ!お父様に会えるんだもん!
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作者名:Rui1956 | 作成日時:2021年1月20日 1時