6.沖矢昴 ページ7
『…で、もう1人の協力者を別に呼んであるってことは、その協力者と哀ちゃんは会わせたらまずいのかしら?』
あれから哀ちゃんから簡単に注意事項を言われ、阿笠博士とも別れて今は隣の工藤邸の玄関前。
「まぁな。そこらへんはまたいつか話せる時が来たら話す。」
『…まだ私には必要のない話ってことね。了解。』
まぁ人間関係の全てを一気に話されても処理しきれる気がしないし、新一くんがそう判断しているなら私はそれに従うのみ。
「…… A姉さんって本当に、割り切りがいいと言うか察しがいいと言うか…」
『伊達に28年も生きてないわよ。』
「私はその考え方、わりと好きですよ。」
『!?』
背後から急に聞こえた第三者の声に思わず振り向いて咄嗟に構える。
「おっと失礼。コナンくんと楽しそうに話していたので、つい声を。」
『……貴方がもう1人の協力者ね…。』
あまりにも気配がなかったからつい構えてしまったが、彼が私の問いに笑みを浮かべているためすぐに手を下ろした。
『…コナンくん?わざと言わなかったわね…』
「久しぶりにA姉ちゃんの構え見たかったんだもん!」
そう言って笑顔を浮かべる彼にほっぺを引っ張りたい気持ちになるが、今はそれよりも…
『話、しましょうか。』
「えぇ。坊やから貴方のことは聞いてますよ。」
どうやらこの人は、話をするのに私との相性はピッタリらしい。
医療現場でもそうだが、察しがいい人とは会話がスムーズで楽だな。
(…沖矢さんと姉さんがタッグを組んだら、ある意味最強なんじゃね?)
新一くんが私の事を「姉ちゃん」と呼んだという事は、彼には新一だと言う事が知られていないのか。
「まぁ立ち話もあれですし、中でゆっくりはなしましょう。」
そう言って慣れたように入っていく彼はどこか胡散臭い。
文字通り、張り付けたような笑みに1つの可能性が頭に浮かぶ。
が、それを聞くのは話をしてからでもいいだろう。
「どうぞ。」
『ありがとうございます。』
出された紅茶に口をつける。
……めちゃくちゃ美味しい。どこの茶葉使ってるんだろう。後で聞こ。
「さて、何から話ましょうか。」
『…じゃあ貴方の職業から。』
「……名前から、とは言わないんですね。」
私の質問に一瞬目を細めた彼が静かに聞いてくる。
それに対し、私は「あくまで推測ですが…」と前置きをして話す。
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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時