38.探偵たちの夜想曲 ページ39
あれから、蘭ちゃんが博士に事情を説明して新一くんを探してもらうように頼むことができた。
きっと哀ちゃんも協力してくれるだろう。
私は蘭ちゃんが電話している間に、他にも怪しい所がないか調べておく。
もしかしたら新一くんが何か残してくれているかもしれないし。
『…あれ?』
玄関にあった靴箱の中を見てみれば、中にあったのは男性物の靴ばかり。どこを見ても女性物の靴は見当たらない。
そう言えば、さっきちらっと見た洗濯機の中身……偶然かと思ってスルーしてたけど男物ばかりだった…。
やっぱりこの家…
「やはり、この家には彼女は住んでいなかったようですね。」
『!?あ、安室さん…』
気配がなくて驚いた。
やはり、という事は彼もこの違和感の正体に気付いたのか。
「いくらコナンくんが心配だからって、無理しちゃいけませんよ?貴方が傷付くのは僕は見たくないんです。」
『ーーっ!!』
【無理するなよ!お前が傷付くのは見たくないんだ!】
まただ…。また、同じ。
「毛利先生のとこに戻りましょう。」
『はい…』
ダメダメ!!今は新一くんが危ない目に遭っているかもしれないのよ…!!
事件解決に集中しなきゃ…!!
私と安室さんで部屋を調べた事を小五郎さんたちに伝えれば、小五郎さんたちもこの部屋に樫塚さんが住んでいなかったことが分かったようだ。
さらにリビングのテレビの録画を確認してみれば、先日起きた銀行強盗事件の報道が切り抜きまでされていた。
その報道の映像から、事務所で樫塚さんに見せてもらった「兄」だと言っていた男性が庄野賢也という射殺された銀行員であることも発覚した。
『とりあえず、この部屋に住んでいたのが樫塚さんの兄っていう線は消えたわね。そうだとしたらこのニュースの編集が出来るわけがないもの。』
「まぁ住んでいたのが誰にせよ、こんなニュースやワイドショーをわざわざ撮り溜めているという事は…余程の犯罪マニアか、犯人に復讐を目論む被害者遺族か、もしくは強盗犯本人と考えた方が自然ですよね。」
『そうですね…じゃあ後調べられそうなのはパソコンくらいですね。』
「えぇ」
私と安室さんでそう話を進めて部屋を出ようとしていれば、蘭ちゃんが小五郎さんを横目に「あの…」と話し掛けてきた。
「どうしてそんなにキレる探偵なのに、父の弟子なんですか?どう見ても貴方やAさんの方が…」
蘭ちゃん…言いたい事はものすごく分かるけど、あまりに辛辣な疑問じゃない……?
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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時