31.探偵たちの夜想曲 ページ32
『え、私もいいんですか!?』
ヨーコちゃんのライブを観終わった小五郎さんは、これから会う予定の依頼人がいるらしいが、どうやらその依頼人の都合で場所がコロンボというレストランに変更になったらしい。
お仕事の邪魔をする訳にはいかないと、大人しく帰ろうと思ったが蘭ちゃんに「せっかくならお昼一緒に食べませんか?」と誘われた。
「そうだな。Aちゃんも久しぶりに蘭たちと食事を楽しむといい。こっちに戻ってきて、まだお茶しかしていないからな。」
確かにまともな食事は蘭ちゃんたちと取れていない。
この前の前夜祭はあんな事件があったから食事と言っていいのか微妙なところだし…。
『なら、お邪魔しようかな!』
どの道家に帰っても1人だし、と思ってその提案に乗ることにした。
ちなみに新しく一人暮らしを始めた物件はここからそう離れていない場所だ。1番安くて快適だし。
「では毛利先生、僕もその依頼人との会合に同席させてもらっても構いませんか?今日のポアロのシフトはお昼までですし。」
そう言って安室さんも一緒にコロンボに行くことになった。
……小五郎さんへの授業料も安くはないと思うのに、どこからそのお金を捻出してるんだろ…?
口に出すと結構失礼だから言わないけど。
『コインロッカーの鍵?』
早速コロンボに行って昼食を食べながら、小五郎さんから今回の依頼内容を聞かされた。
先日亡くなった依頼人の兄の遺品から、とあるコインロッカーの鍵が見つかったらしいが、その鍵がどのコインロッカーの鍵か分からないから探して欲しいという内容だった。
「大事なものなら棺桶に入れておくってやりたいからってさ。」
『じゃあ、その鍵の会社名とシリアルナンバーから特定できそうですね。』
「そういうこった。」
「ふぅん…意外と簡単なんだね。」
思ったよりも簡単な依頼内容に、目の前の安室さんは拍子抜けしている。
まぁ私も聞いた時思ったけど。
「これで30万もくれるっつーんだから、オイシイだろ?」
30万…割に合ってないわね。
いくら兄の遺品の鍵だからって、そんな金額出してまで探すかな…?
まぁ金銭感覚は人それぞれだし、私の気にしすぎかな。
そう結論づけて、私は残りのカルボナーラに手をつけた。
しかしそれから数分経過し、みんな昼食を食べ終えてしまった。
だが一向にその依頼人が来る気配はなかった。
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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時