20.ウェディングイブ ページ21
『ついさっきまで、私も確証が持てなかったの。けど、可能性の1つとして思いついてはいたわ。』
「…これからおっちゃんを眠らせて推理するから、補足説明頼んだ。」
『え』
そう言って新一くんは小五郎さんが座るテーブルの下に移動した。
ええええ…補足説明って…私眠りの小五郎自体経験するの初めてなんだけど…!?
いや別にいいけど!!そんな急に!?
脳内で新一くんに文句を言いつつ、事の成り行きを見守る。
刑事さんに連れられてパトカーに向かう伴場さんに、小五郎さんの声をした新一くんが声を掛ける。
「いいのか伴場、本当に。」
急な小五郎さんの問い掛けに、「え?」と振り返る伴場さん。
「この店から出ちまってもいいのかって聞いてんだ。」
「んな事言ったってしゃーねぇだろ。こうなったら警察で無実なのを分かってもらうしか…」
「そうか……だったらお前は、犯人じゃねぇよ。」
「「「「!?!?」」」」
その言葉に、その場にいたすべての人が驚きを隠せないでいる。
それもそうよね…現時点では、彼以外に疑わしい容疑者はいないんだもの。
「おいおい毛利くん。いくら彼が任意同行に従ったといっても、犯人じゃないということにはならないんじゃないかね?取り調べをうけても、自白しなければ捕まることは無いと高を括っているかもしれんし。」
そう言う警部さんに対して、小五郎さん…新一くんは爆発が起きた時のことを思い出させ、伴場さんが店を出ていないということを説明する。
けど、安室さんは違った。
「ふっ…誰も彼が出ていったのを見ていなかったのではなく、気付かなかったと、僕なら推理しますけどね。」
安室さんの推理。
それは、予め変装用の服をトイレに隠しておいた伴場さんがトイレで変装し、店を出て彼女を待ち伏せた。
そして彼女が駐車場を降りた所で電話をかけ、電話に気を取られている隙に彼女を気絶させて車に押し込める。
その後車に火をつけた後、急いで店内のトイレで元の服装に着替えて、抵抗された時の傷を誤魔化すために安室さんに殴りかかった。
あとは彼女に電話するフリをし、彼女が遺言めいた言葉を言っているように周囲の客に思わせて炎上する車を発見させた。
変装用の服は切り刻んでトイレに流せばいい。
そんな安室さんの推理に、伴場さんは違うと否定する。
確かに、筋は通っている推理。
だけど…
『靴は、どうしたんです?』
「え…」
『靴はそう簡単に切り刻めませんよ?』
私の問に、安室さんは答える。
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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時