17.ウェディングイブ ページ18
安室さんが説明するに、男性は伴場さんに雇われて調査をする中で、密会現場を突き止める事はできたが、相手の男の正体が掴めずにいた。
だが、その時に聞いた声がウェイターである彼の声に似ていたので、注文をした時に改めて声を確認して、サインで伴場さんに同一人物であることを伝えた…という所らしい。
やっぱり、あの男性が彼に注文をした時に出したサインは伴場さんに宛てたものだったのね。
「でも、それなら普通本人に確かめるだろ!」
「…その密会以来男とは会ってねぇって探偵さんが言ってたし、それに探偵を雇って彼女を調べてたなんて知られたら、嫌われると思ったんだよ。お互い養子だってことまで打ち明け合った仲だったから…。」
養子…?伴場さんの言ってた同じ境遇ってその事だったのか…。
……でも、ちょっと引っかかるわね…。
同じ誕生日に、血液型、それに境遇…惹かれ合うのは分かるけど、それにしても偶然が重なり過ぎてる。
初音さんが会場を出た後での伴場さんの女性陣への絡みを、安室さんが初音さんに報告したとしても、それだけの事で結婚式を控えている新婦が自ら命を絶つもの…?
でも、そんな報告をしたかという前提自体、同じことを考えた小五郎さんに対して否定しているし…。
『…まさか』
嫌な汗が背を伝う。
確かに、伴場さんが犯人であるという可能性はかなり高いが、決定的な証拠に欠ける。
そして安室さんともう1人の探偵の男性、彼らも初音さんを殺害する動機がないから犯人とは言いにくい。
でも、もう1つ。
辻褄の合う、もう1つの可能性がある。
だけど…だとしたら、あまりにも悲しすぎる……
「で、でもピッタリ一致したわけじゃねぇんだろ!?」
警部さんたちは、状況的に見て伴場さんを犯人として連行するつもりだろう。
無実の可能性だってあるが、それを確定付ける証拠がない。
「ほぼと言うことは、その付け爪に残っていた皮膚が雨や泥などで汚染され、完全なデータが取れなかったためだと思いますが…血縁者でない限り、ゲノム…遺伝子情報のほぼ一致はまず有り得ない。という事を踏まえると、そのDNAは同じ人物のDNA…と考えた方が自然ですけどね。」
安室さんの言う通り、それは医学的根拠のある確かな事実。
けれど安室さんをよく思っていない伴場さんにとって彼の言葉は火に油。頭に血が上って彼に殴りかかる。
が、安室さんは素早い動きで彼の拳を躱した。
はやい…!!
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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時