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15.ウェディングイブ ページ16

あれから数分で消防が到着し、私と小五郎さんである程度消火できていた車両はすぐに鎮火された。

消火後、すぐにドアを開けてもらって中を見たけれど、どう見ても手遅れの状態だった。
雨が降り続いているのもあり、小五郎さんに先に中に入っていろと言われて店内に戻れば、伴場さんを始めとする参加者たちが私を見ていた。

「Aさん…初音さんは…」

『……』

蘭ちゃんの問い掛けに、目を伏せて顔を横に振る。
その意味を理解した人達は、驚きと悲しみに顔を歪めた。

『もうすぐ、現場検証を終えた小五郎さんたちが戻ってくるわ。』

私が店内に戻る直前、新一くんが刑事さんに初音さんのらしき付け爪を渡していたから、きっとそれについても説明があるはず。

「あの…タオルをお持ちしました。そのままでは風邪をひいてしまいます。」

『あ、ありがとうございます。』

あの店員さんから渡されたタオル。
それを受け取って、改めて自分が雨の中にいた事を自覚する。

…結婚式の前夜祭って聞いて、キャリーから引っ張り出したネイビーのパーティドレス。台無しになっちゃったな…。



「え!?殺人!?」

あれから新一くんたちが店内に戻り、警部さんたちから説明された内容。
それはこの事件が殺人事件かもしれないということ。

どうやら新一くんが見つけた彼女の付け爪に皮膚片が付着していたらしく、それが彼女を襲った際に付着したものの可能性が高い。

その説明を受け、伴場さんが目暮警部に犯人は誰なんだと責め立てる。
だがそんな彼に冷静に対応し、目暮警部は彼の右手の怪我について問いかける。

「え、こ、これは、さっき転んだ時にコップの破片で…Aちゃんに手当てしてもらったんだよ。」

「Aちゃん?」

『あ、私です。一応医者なもので…車の消火を終えてから、彼の手当を。』

「ふむ。」

頷いた警部さんはその後、伴場さんにあるヘアブラシを見せる。
聞けばそれは伴場さんが使っているものらしい。

「念の為、このヘアブラシから採取した毛髪のDNAを照合した結果、彼女の付け爪に付着していた皮膚のDNAと、ほぼ一致したんですよ。」

『え…?』

警部さんの言葉に、伴場さんを含めた全員が信じられないと言う声を上げる。
小五郎さんが興奮する伴場さんを宥めているが、そんな彼らの横からとある人物が話し出す。

「でも、彼女に抵抗されて引っ掻かれた傷を誤魔化すため、わざと僕に殴りかかって怪我をしたって場合も考えられますよね?」

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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時

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