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13.ウェディングイブ ページ14

「ねぇ、このパーティって小五郎のおじさんの同窓会も兼ねてるんだよね?」

あ、そうなんだ。
どうやら英理さんは仕事で来られなかったらしい。

『なら、あの席に座ってるサングラスの方も小五郎さんの同級生ですか?』

「うーん……覚えてねぇな。なにせ20年振りだからなぁ。」

「ふーん…」

まぁ確かに20年近く会わなかったら顔も忘れちゃうよね。
…私も、忘れられてるかな。

未だ手に持ったままの青いしおりを見つめて自嘲的な笑みを浮かべる。

「あれ?Aさん、そのしおり…押し花ですか?」

『え?あ、うん……昔見つけた四葉のクローバーを、お母さんが押し花にしてしおりにしてくれたの。』

蘭ちゃんに手元のしおりを見られた。
いや別に見られて困るものではないけれども。

「今も大切に持ってるなんて、大事なものなんですね!」

『……うん。とても、大切なの。』

この手作りのしおりは、世界に3つだけ。
私のとても大切な人に贈った、大事な宝物。

あの頃の思い出は今でもハッキリ覚えてる。
3人で汗だくになりながら探したクローバー。
ずっと残せるようにと、しおりにしてプレゼントした時はすごく喜んでくれたな…。

「……もしかして、Aさんの初恋ですか?」

『っはぁ!?』

しおりを見て昔を思い出していると、横から蘭ちゃんがニヤニヤしながら言ってきた。
思わぬ言葉に顔が赤くなる。

「だってぇ〜Aさんすっごい幸せそうなんだもん〜!!彼氏はいないって言ってたけど、好きな人はいるとか!?」

『いやっ、初恋とかそう言うのじゃなくて…!!本当にただ仲良かった友達で…!!』

「へぇ〜じゃあその友達って男の子なんだぁ〜!!」

『うっ…』

ぼ、墓穴掘った…!!

『ほ、本当に何もなかったのよ…。か、彼とは私が小5の時に離れ離れになってそれ以降連絡もとってないし、第一お互い好きとかそういうのは一切…』

「えぇ〜…」

私の話に残念がる蘭ちゃんだが、今どきのJKが喜ぶような恋バナは本当にないのだから許して欲しい。



【またAが戻ってきた時は、一緒に見ような!】

【うん!!】



だから、私が未だあの時の約束を忘れられない理由なんて分からない。

しおりを手帳に挟み直し、カバンの奥底にしまい込んだ。
その時、

パリンッ

グラスの笑る音が店内に響き、人々の視線はその音の発信源に向けられる。

「ちょっと、何してるの!?」

「あ、いや…いきなりこのお客様が殴りかかってこられて…大丈夫ですか?」

「触んなっ!!」

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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時

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