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12.ウェディングイブ ページ13

「独身最後の夜なんだからさぁ〜もっと優しくしてくれよ〜」

あれからお酒を何倍か飲んで出来上がってしまった伴場さんは、参加している女性陣に絡み始めた。

『……あんな美人なお嫁さんもらっておいて、随分な姿ね。』

「本当に…誰かさんとそっくり。」

あの姿にさすがの小五郎さんも呆れ顔だ。
けど蘭ちゃんの言葉を聞くに、酔った小五郎さんもあんな感じなのどろう。
…でなきゃあの英理さんと別居してないか。

「あの、お客様。」

「んぁ?またお前かよ、今度はなんだ。」

「先程から何度もお電話が。…では失礼します。」

さっきの店員さんが伴場さんの着信を知らせる。
……ついさっきケーキを落としてしまったお客さんにああやって普通に話しかけられるって、あの人割とメンタル強いんだな。
私だったらビビっちゃうかも…。

にしても…

『……』

気のせいかもしれないが、あの店員さんとはどこかで会ったことあるような気がしてならない。


【もし日本に戻ってきたら、その時は……!!】


あの時、顔を真っ赤にしながら言った彼。
結局その言葉の続きを聞くことが出来なくて、私はイギリスに引っ越してしまった。

……いや、もし彼だとしたら、今ここにいる訳がない。
きっと他人の空似だ。

ふと、いつも手帳に挟んであるしおりを取り出して眺める。
……四葉のクローバー、押し花にして作ったしおり。
今も、持っていてくれているといいな。



…………零くん。


「気ぃつけろ馬鹿野郎!!」

『!?え…?』

怒鳴り声に近い声が聞こえて思わず振り返る。
そこには接客中のあの店員さんに対して、未だ酔いが覚めていない様子の伴場さんが睨みつけている。

それに対して申し訳なさそうに謝る店員さんだが、そんな様子にもイラついたように舌打ちをする伴場さんに、さすがの他の女性陣も飲みすぎだと彼を諭す。

「なぁウェイターさん。俺の注文、覚えてるか?」

「あっはい、バーボンのロックですよね。」

「OK。間違ってねぇよ。」

『…』

あのお客と伴場さん、なにかあるわね。
わざとらしく目線の高さまでOKの手を上げたのは、伴場さんにその手を見せるため。
伴場さんも横目でそれを見ているし、あのお客さんも妙に伴場さんを気にしているのも私には分かる。

…医者としての経験を積めば積むほど、人の表情や視線の意図を読み取ろうとしてしまうのは、現場を離れてしまえば悪い癖ね。

その時、同じように伴場さんを見ていた新一くんが問いかける。

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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時

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