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48.代理 ページ49

民間の産婦人科から転院してきたとある患者。
外来も担当する佐伯先生の診察で、手術するなら佐伯先生がいいと言い出したそうだ。

「それなら診察の時に言っといてくれればそれに合わせて手術日変更したのに…」

『決まってから執刀医の希望出されたんですね…』

本来なら特別希望がなければ手術の執刀医はその日にスケジュールが空いている医師になる。
けれど佐伯先生の様子からして、一度手術日も執刀医も決まってから変更があったようだ。

オペ室の予約の兼ね合いもある為、今から日付の変更は難しいだろう。

「それでな工藤…」

『は、はい…?』

ガシッと肩を掴まれ、死んだ顔の佐伯先生と向き合わされる。
うわー…これ完全に数ヶ月は引き摺るやつだ……

「私の代わりにイベントに参加してくれ。そして後日詳細を教えてくれ。工藤その日オフだろ。」

あ、これ断れないやつだ。
完全に私のシフトも押さえられてる。

『り、了解しました…。』

この状態の佐伯先生に対する返事はイエスorはいのみ。
私もまだ命は惜しい。



『ミステリートレイン?』

「ベルツリー急行とも言うんだけど、いつもなら年に1回しか運行しないはずが、何か特別な理由で走行するみたいなの。」

『へぇ〜じゃあ佐伯先生の目当てはその特別な理由じゃなくて、また別の理由ですか?』

そう聞けば、佐伯先生はよくぞ聞いてくれたとでも言うように興奮気味に話し出した。

「そう!!毎回その車内では推理クイズが行われるんだけど!!それが毎回凝ってて面白いのよ!!毎回ミステリー通の乗客も参加して、やっと私もその乗客の仲間入りができると思ったのにぃ……」

いや最初の熱量すごいけど後半死にかけている…
本当に参加したかったんだな…
あまりの勢いに何も言葉が出てこない。

『と、とりあえずそれに私が代理参加したらいいんですよね?』

「引き受けてくれる!?」

『は、はい…』

引き受けてくれるもなにも、最初に半強制的に引き受けさせられたんですけど…とは口が裂けても言えない。佐伯先生怖い。

「あ、これがベルツリー急行に乗る為のパスリングね。」

そう言って渡されたのは指輪。
なるほど、これをして行けばいいのか。

「何から何まできっちり教えて貰うから、イベントの次の日の休憩は開けておきなさいね。」

その言葉で、その次の日の休憩が完全に潰れる事を悟って思わず半目になってしまったのは仕方ないと思う。

49.ベルモット 降谷side→←47.佐伯先生



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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時

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