大切なもの バクラ ページ29
「……──ん…？ありゃあ…」
暗い夜道をひとり歩いていると、河川敷の草が好き勝手に伸びた所で、よく見知った人物がいた。
(Aじゃねぇか…こんな夜に何してやがる…？)
もう時刻は午後10時をまわっており、とても女性がひとりで歩いていていい時間帯ではない。
少し近づいて見ると、「無い、無い……」と少し焦ったような声が聞こえてくる。
(チッ…しゃあねぇな……)
心の中で舌打ちをし、頭をガシガシと掻く。
「よぉ！Aサマよ」
「っ！？誰！？…ってなんだバクラか…脅かさないでよ……」
少し声をかけると、小さな身体がビクリと跳ねる。
(…そこまで驚くかよ…)
「お前、こんな夜中に何してんだ？」
「ああ、ちょっと捜し物してて…」
「捜し物だぁ？仕方ねぇな…オレ様も手伝ってやるよ！」
「本当に？ごめんね、ありがとう」
「落し物するなんてAサマもドジ踏んだだなぁ…ヒャハハハハ！！」
「……少しでも頼りになると思った私がバカだった…」
ため息をついて頭を抑えるAだったが、今は捜し物の方が先決なのか、すぐに探し始める。
「そういやお前、何落としたんだよ？アクセでも落としたか？」
「ううん、違う」
「じゃあなんだ？」
「カード」
「何のカードだよ」
「この前バクラに貰ったクリボーのカード」
「はぁ！？」
(ンだよそれ……)
あまりにも必死になって探しているから何が大切な物なのかと思ったが、まさか自分が何気なくあげたクリボーだとは思ってもいなくて、驚愕の感情に包まれる。
「そんなモンいくらでも替えがきくだろうがよ……」
今度はこっちがため息をつくと、Aは真剣な声で言い返す。
「バクラにとってはどうでもいいだろうけど、私にとってはバクラに初めて貰った大切なカードなの！」
「はぁ……」
「何」
再度ため息をついたバクラに、Aが不満げな声を漏らす。
そんなAを尻目に、バクラは自身のデッキケースに手を伸ばし、カードを探り当てる。
「ホラよ」
「……？…わぁ、かわいい！」
「それでいいだろ、今は」
バクラが“それ“と称したのは、「ファーニマル・キャット」のカードだった。
「……ん？ねぇバクラ、今はってどういう事？」
「後でオレ様が探しておいてやるから今はそれで我慢しやがれつってんだよ」
「ありがとう、バクラ！」
「ほらさっさと帰るぞ」
「うん！」
暗い夜道を今度はふたりで歩く。
この時のバクラの顔は少し赤かったが、闇夜がそれを隠してくれているのが救いだった──。
──────
バクラが変な文しか書けなくて辛いです。
絶対に 覇王十代※ハルカさんリクエスト→←俺だけのお姫様 闇マリク※あやパッチ様リクエスト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハルカ - ありがとうございます(*^_^*)とても良かったです(*^_^*) (2020年1月17日 14時) (
レス) id: bf9f87e973 (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - ハルカさん» ただ今更新致しました。お時間ある時にでもご閲覧くださいね。 (2020年1月17日 13時) (レス) id: 93bfd3f927 (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - 蓮さん» 遅くなりすみません。もったいないお言葉ありがとうございます！満足していただけたようで何よりです！ (2020年1月17日 13時) (レス) id: 93bfd3f927 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - よろしくお願いしますm(_ _)m無理しないようにゆっくり書いてください(*^_^*) (2020年1月14日 21時) (レス) id: bf9f87e973 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - いやもう神ですか！？海馬くんが…海馬くんが…(語彙力崩壊)本当にありがとうございました！！ (2020年1月14日 21時) (レス) id: f38bb46244 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米 | 作成日時：2019年11月24日 9時
