リップバームと幸せ 藍神 ページ16
本を借りようと彼女の部屋に行くと、その彼女は何故か鏡を見ながら唇に中指を当てていた。
その姿が、どこか艶っぽくてどきりとしたのは秘密だ。
何をしているのかを聞くと、どうやらリップを塗っているらしい。
でも、僕の知っているリップは、スティック状のものだ。
何処にリップがあるのかと聞けば、彼女は何かの入れ物(？)を見せてきた。
「これは？」と目で聞くと、これこそがリップだと教えてくれた。
それでも疑わしそうな目をしている僕に、彼女は笑って蓋を開けた。その中にあったのは、ピンク色のクリームだった。
「リップバームって言うんだよ、藍神」
「リップバーム？」
物珍しそうにリップバームを見る僕が面白かったのか、くすくすと笑うA。
「最近唇荒れてきたから買ったんだけど、間違ってリップバーム買っちゃったんだよね」
独り言のように呟きながら、クリームを掬い、唇へと乗せていくA。
先程のもそうだが、どこか色気のある仕草に耐えきれずに、リップバームを塗っている彼女の細い手首を捕まえる。
先程の僕のように、どうしたの？と問いかけるような目をするA。
その視線を受けながら、僕は手首を引き寄せて、キスをした。
ぷるぷるとしたリップバームが邪魔で、リップバームを舐めとる。……どう形容していいのかわからない味がした。
思う存分彼女と濃厚なキスをした後に、彼女を解放する。
「な…に、するの……」
「ごめん、可愛いなあって思ったら止められなくて」
可愛い、と言うと、彼女は顔を真っ赤にする。
ほら、こういう所が可愛いんだよ。
「別に、可愛くはない、から……」
「可愛いよ」
「可愛くない」
その言葉しか知らないように、延々と繰り返す。
下らない、でも、それでもいいな、って思える。
これが“幸せ“っていうのかな？
これが“幸せ“なら、僕は彼女にお礼を言わなきゃね。
だって、Aと出逢えてなかったら、僕はきっと、本当の“幸せ“に気付けなかったから。
ありがとう、A。そして、愛してるよ。ずっと、これからも──。
──────────
休日が暇すぎて、小説を更新するだけの機械となりつつあります。
それにしても藍神くん、10回以上は映画見たのに口調がまったく掴めない珍しいキャラです。
喧嘩するほど 海馬瀬人→←私だけのヒーロー 遊城十代(二十代)�□┘魯襯�さんリク
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハルカ - ありがとうございます(*^_^*)とても良かったです(*^_^*) (2020年1月17日 14時) (
レス) id: bf9f87e973 (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - ハルカさん» ただ今更新致しました。お時間ある時にでもご閲覧くださいね。 (2020年1月17日 13時) (レス) id: 93bfd3f927 (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - 蓮さん» 遅くなりすみません。もったいないお言葉ありがとうございます！満足していただけたようで何よりです！ (2020年1月17日 13時) (レス) id: 93bfd3f927 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - よろしくお願いしますm(_ _)m無理しないようにゆっくり書いてください(*^_^*) (2020年1月14日 21時) (レス) id: bf9f87e973 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - いやもう神ですか！？海馬くんが…海馬くんが…(語彙力崩壊)本当にありがとうございました！！ (2020年1月14日 21時) (レス) id: f38bb46244 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米 | 作成日時：2019年11月24日 9時
