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『ほんとうに、……__』
別世界を操るふたり、空間御阿礼の使い手のふたり、天津家のふたり、神に造られたふたり、強者のふたり、そして
『いちばんのお兄ちゃんだよ』
家族のふたり。
片割れが終わるとき蔓日の頬から、涙が零れ落ちた。
それは、Aの涙か。蔓日の涙か。
幼き頃離反し、1番の敵となった天津蔓日は、
天津Aの、唯一無二の兄だった。
そっと頬に口付けをする。
聞こえもしないのに、言葉を吐いてしまう。
『私も愛してたよ、お兄ちゃん』
ごめんね、とは言わなかった。
天津蔓日は、その言葉を望んでいない。
聞こえていないはずの、命絶えた蔓日の顔には、心做しか笑みが浮かんでいた。
22年間の人生、両者感じた、愛。
最初で、最後の、家族愛だった。
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蔓日の死体から、黒の液が発生しAの中へ入った。
それは、蔓日の残りの呪力。微かな呪力。そして、
____生得術式
術式が無くなるのは、=死を示す
天津蔓日は、自ら 自身の術式と呪力を Aへ託した。
天津家の人間は、神に造られた 呪術社会を正す為の道具。
結末、どのような人生を歩むかは、既に決まっている。
名は、親の頭に降ってくるようにして閃かれる。
花言葉は、__
楽しき追想
幼い日の思い出
そして、夢の実現
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蔓日は、悔いなく地獄へ落ちた。
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____2018年10月31日
・天津A 兄天津蔓日の能力を全て受け継ぎ
現在生存の人類最大呪力量と精密な術式を獲得する。
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作者名:唯 | 作成日時:2022年3月18日 0時