伊勢ちゃんとお友達 (ページ1)

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親友との出会い～これからも～：上杉綾ページ1

綾ちゃんの第一印象はお姉ちゃんであり私の憧れ、ですね
いえ、今でも私にとってはお姉ちゃん同然で憧れなのですが…

黒く艶やかな髪、透き通るような綺麗で何の曇りも汚れも無い瞳、背も私などよりもずっと高く、スラっとしていてどこかのお姫様なのではないかと思ってしまう程の上品な立ち振る舞い…そしてとても大人びていて穏やかで、誰に対しても優しく平等に接しているその姿は、中学の時まだ一言も話したことが無かった頃から既に私の憧れでした

あまり交友関係が広くなく、高校生である今とは違い友達作りにあまり積極的ではなかった私が初めて自分から「お友達になりたい」「お話してみたい」と思った相手が綾ちゃんでしたね
密に憧れている人に話しかけるというものは思った以上に緊張するもので、話しかける直前までちゃんと頭の中で話す内容だったりどんな風に話すべきか等考えていたのですが

「あ、の上杉、さん」
「ん？貴方は確か伊勢ちゃんよねどうしたの？」

これで全て吹っ飛んでいき、頭の中が真っ白になりました何せまだ一言も話したことが無い私の名前を把握していただなんて夢にも思っていなかったもので…
あの時のことは今でも鮮明すぎるくらいに思い出せます

頭の中が真っ白になったおかげで勿論私はしどろもどろに
それでも、

「え、っと、その、私…、」
「私は逃げないから、慌てなくて大丈夫よ」

それでも綾ちゃんは少しも呆れないで、にこにこと安心するような暖かい笑顔を浮かべて私の話を、私のテンポに合わせて丁寧に聴いてくれました

次の日も、また次の日も、少しずつですが綾ちゃんと話せるようになっていき、気付いた頃には2人でお出掛けをする程距離が縮まっていました
綾ちゃんから敬語抜きで名前で呼んでほしいというお願い＋ゆうなちゃん呼びはどちらも未だかつてされたことが無かったので寧ろこちらの方がぎこちなかった上、が時間がかかりましたけれど…

今日も私は中学に引き続き同じ高校でクラスメイトになった、１番のお友達と一緒に学校に行ってお話をする

「綾ちゃん」
「どうしたの？ゆうなちゃん」

「いつも有難う」
そしてこの６文字に心からの想いを込めました

唐突ねこちらこそ、いつも仲良くしてくれて有難う、と返してくれた綾ちゃんの笑顔は
あの頃と変わらず、青く澄み渡っている空よりも綺麗で眩しかった