▽ 中編�� ページ23
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「 零くんの手袋、すごく暖かそうだね 」
「 ほんとだ、もこもこしてるな 」
「 ああ、親が買ってきたんだけど、思ってた以上にあったくて俺も気に入ってるんだ 」
微かに微笑んで言った零くんは、徐に隣に歩いていた私の手を取ると着ている外套の衣嚢に突っ込んだ。
恋人繋ぎのように指を絡め取られてしっかりと握られた手は、手袋越しで体温を感じないもののとても暖かい。
そんな私達を見兼ねた景くんが、呆れたように見てくる。
ただ相当寒いのか、顔はいつもより白いし若干震えていてとても寒そうだ。
景くんは低体温で元々寒がりのようだから余計に寒く感じているのだろう。
見兼ねた私は、景くんの手を握って自身の外套の衣嚢に入れ込んだ。驚いているのが判るが、こっちの方がきっと良いだろう。
私の左手は零くんに暖めて貰い、景くんの左手は私が暖める。
端から見ればとても微笑ましく仲睦まじい三人組の出来上がりだが、生憎今私達が歩いている道に人は居ない。
「 ……何か、中一にもなってこういうのはちょっと恥ずかしいな…… 」
「 高校生ならあれだけど、中学生ならまだ平気だよ。きっと端から見ても微笑ましいだけだろうし 」
「 そういうもんか……？ 」
「 ……まあ、此処は全然人も通らない道だし、別に良いんじゃないか。確かに同級生に見られるのは少し抵抗があるけどな 」
「 そうだな…… 」
神妙な顔をして頷く景くんは、やはり周りの目をすごく気にする質らしい。
零くんの場合、周囲の評価を気にせず我が道を行くというようなタイプだし、何より自尊心が高いが故にそこまで気にすることもないのだろう。
だがそんな彼とは正反対に、景くんはそんな自分に自信がないようだ。
それは彼の周りに優れた人間が多いからなのか、比べる対象が優秀過ぎる故か、元の性格もあるのだろうけれど、実際景くんのお兄さんはとても優秀な人らしいからやはり周囲の影響が大きいのかもしれない。
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スピカの街(プロフ) - 休校さん» コメント有難う御座います。前作品でもコメントして頂いたのでまさか二回もコメントして頂けるとは思わず、本当に嬉しいです。そんな風に言って下さって有難う御座います。書いてる此方側としてはすごく励みになります。誠心誠意頑張らせて頂きます (2020年8月20日 2時) (
レス) id: e9553c123a (このIDを非表示/違反報告)
休校 - 続編おめでとうございます！やっぱり、どこまで見ても飽きないですね………！語彙力分けて欲しいです笑 更新頑張ってください！ (2020年8月20日 1時) (レス) id: 45889617ce (このIDを非表示/違反報告)
スピカの街(プロフ) - ゆさん» コメント有難う御座います。そんな風に感動して貰えるとは思っていなかったのでとても嬉しいです。作者としても文才には力を入れており、言葉回しにも気を遣って丁寧に執筆しているのでとても光栄です。本当に有難う御座います。ご期待に添えるよう、頑張らせて頂きます (2020年8月13日 9時) (レス) id: e9553c123a (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 初めまして。あまりにも綺麗で素敵な作品でしたので、どうしてもこの気持ちをお伝えしたく、コメントせていただきました。表現の仕方や言葉の選び方 本当に本当に素敵で感動しました。そして素晴らしいセンスを感じました。これからも楽しみにしています。失礼しました. (2020年8月13日 1時) (レス) id: 7456c356b5 (このIDを非表示/違反報告)
スピカの街(プロフ) - 桜さん» コメント有難う御座います。そんな風に思って頂けるなんてとても光栄です。すごく励みになります。本当に有難う御座います。少しでもご期待に添えるよう、頑張らせて頂きます (2020年8月13日 0時) (レス) id: e9553c123a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スピカの街 | 作成日時：2020年8月12日 22時
