兄妹?? ページ22
中「な、なんで此処にいンだよ。」
太「……最悪。」
『お知り合いなんですか?』
今 最悪って云ってた?聞き間違い……じゃないよね。
太「あー誰かと思ったら只の蛞蝓だった、話の続きをしようか。」
『えっ、絶対知り合いですよね!?』
中「真逆、青鯖野郎が居るとはな。」
そう云って、中也さん(仮)は、私の左隣の席に座った。
……あれ、二人に挟まれてる。
こういう時は普通、太宰さんが真ん中なのでは?
『お久しぶりです。えーと、中也さんで合ってますか?』
中「ああ。お前は何て云うんだ?」
『私は、』
太「マフィア幹部様が此んな所で何やってるのさ。」
………え?
マフィア?
中「お前!」
太「なぁに?」
マフィアって……それに、幹部?
今私、マフィアの幹部に名前云おうとしてた?
太宰さんが遮ってくれなかったら、……!
中「ハァ……此処には酒を飲みに来ただけだから心配すンな。マフィアだからって無駄に暴れたりしねェよ。
って云っても、無理あるよな。」
私の手は震えていた。
無論、マフィアが怖いとかではない。
私だってマフィアだったんだから。
でも今マフィアに見つかったら、私は確実に処刑だ。
まだ、"赤い蝶"に会えていないのに。
孤独を抱えたまま、死にたくない……───
でも。
中「そンじゃ、俺はまた今度来るわ。」
そう云って、中也さんは店を出ようと席を立った。
『あ、あの!』
中「?」
『此の前の、お礼もしたいですし、私は、大丈夫ですから。』
声が震えた。
気付かれたら終わり。
それでも、恩は返す。
例え相手がマフィアだろうと、私に"普通"に話しかけて呉れた人だから。
太「此の前って?」
中「此奴が葡萄酒買うのに迷ってたから、助言したンだよ。」
『あの時は本当に助かりました。あの、何かお礼を。』
中「礼なんて要らねェよ、葡萄酒の種類なんざ店員でも判るしな。」
……やっぱり、この人は優しい人だ。
『私の所為で帰られてしまうのは申し訳ないです。
本当に、大丈夫なので。』
中「まァお前が良いなら。」
太「えぇー帰ってよー。」
中「手前ェが帰れ!!」
この二人、仲良さそう。
中也さんがマフィアって事は、太宰さんがマフィアだった時の同僚とかかな。
89人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まくら枕 | 作成日時:2021年12月12日 9時