些細な出逢い ページ15
あーあ。
もっと楽しめると思ったんだけど。
『中り過ぎる
家の壁に掛けられたダーツの的。
40あるエリアの全てに刺さったナイフ。
『家にあるなかで一番離れた壁に掛けたのに、全部中るなんてね。』
一つくらい外れれば、少しは面白味があるのに。
投げナイフの腕は落ちてないって事か。
というか、よくこんな大量のナイフあったな。何の為に使うんだか。
それにこの光景、首領のメス投げみたい。
……嫌だな。←
尊敬はしてるよ?あの人の事。でもなぁ、似たくはないよね。
それに私の方が上手い。((
外でやったら通報されそうだし、私の家に此れ以上距離のある壁は無い。
他の遊びを考えるか。
『……あ、振り返ってから投げるとか!』
試しに、後ろを向いてばっと振り返る。
その勢いのままナイフを投げた。
『あ。』
5cmくらいずれてる。
……悔しい。
悔しいけど、楽しい!
『よし、もう一回!!』
───────
───
─
翌日の夕暮れ。
『ぜ、全部中った!!』
我ながら凄い技術力。
うーん、今度は……少し動いてからやってみるか。
ダーツボードの正面に立つ。距離およそ10m。
通常の4倍程の距離だが、私にとって投げるのがナイフなら丁度良い。
飛んで一回転した後、もう一度ジャンプして直ぐに投げる。
『あー、微妙。』
此れから実戦用に使う事は無いだろうけど、護身用と考えると実際は集中して投げる暇なんてない。
だから、一度体制を崩すために動いてから投げたのだ。
裏切り者としてマフィアから刺客を差し向けられる可能性だって大いにあるし、首領は私の異能も知っている。
もし狙われたら完全に不利。
万が一の為に、日頃から腕を上げておく!
楽しいしね、これ。
………マフィアには絶対会わないようにしないと。
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作者名:まくら枕 | 作成日時:2021年12月12日 9時