元マフィア ページ14
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一番古い記憶はポートマフィアの医務室。
その以前の事は何も思い出せない。
任務で頭でも打ったのだろうか。
太「……そう。」
『因みに、私がポートマフィアを抜けたのは3年前です。』
国「3年前?今迄は何をしていたんだ?」
『ポートマフィアを抜けてから、偶然種田長官に会いまして、2年ほど地下に居ました。
マフィアでは裏切り者として扱われるでしょうし、其れから1年は念の為身を潜め、今に至ります。』
本当なら、ポートマフィアを抜けてから直ぐにでも"赤い蝶"を捜したかったけれど、ポートマフィアを侮ったら痛い目に遭う。
元マフィアだからこそ判るのだ。
あの組織は、何があっても見縊ってはいけないと。
太「成程ねぇ。」
国「偶然で種田長官に会えるものなのか?」
『運が良かった、としか云いようがありませんね。』
その時は私だって驚いた。
会おうと思っても中々会えない大物に、偶然出会えてしまったのだから。
……若しかすると、長官にとっては偶然じゃなかったのかも知れないが。
『其処で種田長官と、此れからは人を殺さない事を約束したんです。約束と云うか、私が表の世界で生きる条件ですね。
私の罪は本来なら2年地下に居た所で許されません。本当に運が良かったです。』
太「種田長官だって横浜で生きている同じ人間だ。偶然会うのも可笑しくはないよ。」
慥かにそうだ。
だけど、何だろう。
太宰さんの言い回しに、違和感が………
何も、間違ってはいない筈なのに。
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作者名:まくら枕 | 作成日時:2021年12月12日 9時