四十五話 合同作戦 ページ47
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私の異能があるとは云っても、
見えない場所に檸檬爆弾を仕込まれたら終わりなので
マフィアビルへの潜入作戦は一時停止となった。
今は探偵社で鏡花ちゃんが与謝野先生の手当を受けている所だ。
一応言っておくけど、治療じゃなくて手当だよ、安全な方。
私が受けたのは治療だよ、危険な方。。
「あの馬鹿の爆弾が在る限り、敵の建物にすら近づけないね。」
ブルルルルル
「?」
「どうしたんだい?
……何だって!?
社長が消えた………?」
ウイルス発症まで、あと十二時間
「其れで、谷崎くん。社長の行方は?」
「それが……総出で探しているのですが、手掛かりすら掴めません。」
「だろうね。社長は私達が到着し得ない場所を選んだ筈だ。
居場所が分かるとすれば、嘗ての二人の関係者だが……
こういう時、あの人なら如何するのかな」
「あの人?
ん?あれって……
あれって確か春野さんの所のみーちゃん?」
「夏目先生は、探偵社設立の後ろ盾となった伝説の異能力者だ。
神出鬼没で所在不明、一説には、万物を見抜く最強の異能力者だとか。」
すると、窓の外には煮干しを咥えた猫が一匹。
「煮干し?」
───────
───
─
花袋さんも社長も無事だったらしい。
だがフィヨードルの捕縛の為、社長は生死不明としている。
そして敵のアジトも分かり、今は敦くんと芥川さんが突入している。
あの二人はかなり仲が悪い(どころじゃない)と聞いたけど、大丈夫なのかな。
でも芥川さんは太宰さんの部下だったらしく、
太宰さんの云う事は何でも聞くから大丈夫、だそうだ。
それを聞き、私は芥川さんが心配になった。
其の外の探偵社員は二手に分かれてフィヨードルの逃走防止をしている。
私は国木田さんと一緒に地上班で、連絡があり次第駆けつけて捕縛する。
『魔人フィヨードル、一体どんな人物なんでしょうね』
「さあな、只者では無いと云うのは確かだが。」
『そうですね……』
「いつ連絡が来るか分からない。準備しておけよ」
『はい。』
すると、ウイルス異能者が逃走中という連絡が入り、
予測された出口へ向かうよう指示が入った。
『わあ、皆さんお揃いで……』
向かった先には、探偵社とマフィアの面々が勢揃いだった。
圧が。圧がすごい。
少し時間が経つと、中から笑い声が聞こえてきた。
屹度あれがウイルス異能力者なのだろう。
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作者名:まくら枕 | 作成日時:2021年7月11日 17時