ー 第三特異点 36 ー ページ11
*
「くっ・・ 拙者、
まだ、負けてない、ですし・・?
その気になれば、
サーヴァントの一基や二基に、
負けたりしません、ですよ?」
「その怪我とこの状況でそんだけ話せるって、
それだけでもアンタ、大した根性だよ」
だが聖杯は諦めな、と、ドレイクは告げる。
「海の宝に正しい持ち主なんていない。
早い者勝ち、強い者勝ち、
とったもん勝ち、ってのが、
アタシらのルールだろ?」
その言葉に、どこか、彼は、
これまでになかった笑みを見せた。
「へ、その通り・・気持ちのいい結論ですな。
海賊ってのは、そうでなきゃ・・・」
その、言葉が終わる直前だった。
「マスター!」
アルジュナに腕を引かれる。
目の前に、銀の刃が通り過ぎた。
正面にいた黒髭を、貫通している。
「な、」
「テメェ!」
秋の後にドレイクが声を張る。
刃の向こうに、あのランサーがいる。
「ありゃりゃ、
うまくすりゃそこの異端者も、
どうにか出来たんですがねぇ」
優秀なサーヴァントだ、と、笑っている。
「テメェ、仲間ごと・・・!」
黒髭の足が崩れる。
「いやぁ、やっと隙が出来たな、船長」
まったく、と、
ほとほと困った顔をしている。
「油断ブッこいてる振りして、
どこだろうと用心深く、
銃を握り締めてんだから」
オジさん、ほんと感心した、と、槍をはらう。
「天才を自称するバカより、
バカを演じる天才のほうが、
そりゃ厄介だわ」
まぁ、と目線がこちらへと振り向く。
「そこの異端者みてーに、
無自覚で軍才に恵まれてる奴も厄介ですがね」
よろけながら、黒髭は彼を見遣る。
「なるほど、しかし、
この状況で裏切るとか、アホでござるか、
ヘクトール氏は」
呼ばれたランサー、ーーヘクトールは、
それでもその笑みを崩さない。
「いやぁ、オジさんも、
それなりの勝算があってのことでね」
じゃ、と、ヘクトールはその腕を伸ばす。
「アンタの聖杯をいただこうか」
黒髭は銃弾を放つも、
ヘクトールはうまくかわし、
そして聖杯を奪いとった。
「まったく、馬鹿に聖杯を預ければ、
時代が狂うって話だったのに・・」
ヘクトールはドレイクと秋らを見遣る。
「まさかそれを食い止める航海士と、
修正できる異端者共が、現れるなんてな。
ほんと、人類の航海図ってのは、綱渡りだよ」
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爽@推しに貢ぎたい隊長(プロフ) - 初コメ失礼します。今日でこのシリーズ全てを読ませていただきましたが、アルジュナとマスターくんの歪んだ愛という感じがとても好きです。更新お待ちしております (2020年12月11日 21時) (レス) id: f8f17f4c0f (このIDを非表示/違反報告)
ikumi - この作品を一年くらい前から読ませて頂いております。本当に大好きです。頑張ってください。 (2020年8月6日 22時) (レス) id: 004e366c69 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - この作品が大好きです。更新待っています。 (2020年4月5日 16時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
遊藍 - 記載しました通り、以降、こちらからのコメントは控えさせて頂きます。不快な思いをされた方には申し訳ありません。ご迷惑をおかけしました。楽しんで頂けている読者様、いつもありがとうございます。それでは失礼いたします。 (2019年10月9日 8時) (レス) id: f13869b6c2 (このIDを非表示/違反報告)
遊藍 - ももさん» 成る程、申し訳ありません。そういった捉え方をされることもあるのだとわかりました。気をつけます。ですので、これ以上のコメントは控えさせて頂きますね。お言葉を頂き、ありがとうございました。 (2019年10月9日 8時) (レス) id: f13869b6c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月8日 1時