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ー 第三特異点 15 ー ページ16

戻ってきた彼女の手には、
何かの、本、のようなものが握られていた。

「ヴァイキングはね、航海する際に、
出発地点から到達地点まで、
あらゆるものを絵と文字で記録するんだ。
岸の形状や浅瀬の場所に、
海流の性質と方向もーー・・・」

彼らがこの島に出現したわけではなく、
他所からここに辿り着いたのだとしたら、
それはこの島と周囲一帯の地図に違いない、とのこと。

「これから海洋に乗り出すアタシらにとっては、
これ以上ないお宝なのさ」

なるほど、と、彼女の行動に頷いた。
そうして、皆で足をそろえ、船へ戻った。

その後、海図に従い、
船は島が確認された北西へと向かうことになった。

「時間にして10時間くらいかね。
まぁ、うまく風を捕らえられれば、
もう少し早く着けるかもしれないけど」

文字はロマ二へ頼み、
解読してもらうことに。

ロマ二はしかし、
問題はもう一点あるといいたそうだ。

「召喚ポイント、ですね」

マシュが呟くように返した。

「次の島に霊脈があることを期待しましょう。
聖杯の力に頼り過ぎても、きつそうですしね」
『同感だ』

ロマ二の言葉を終えた後、
ドレイクが、出航を宣言した。





ーー海路を進む船上で、
船長、ドレイクがふと顔を上げた。

「ドレイクさん?」
「どうしました?」

共に、気付いたマシュが問いかける。

「・・・いや、空気の味が変わった気がしてね」
「変わった?」

ドレイクは二、三歩、船首へ向かい足を進めた。

「違う国、違う土地、違う陸地へ行くと、
空気の味が違うんだよ。
イングランドとフランス程度の距離ならともかく、
違う大陸へ行くと、空気の味が変わるのは当然さね」

通信機からふむ、とロマ二の声が入る。

『彼女は、寒暖の差や海流の変化による、
いわゆる風の差異を感知しているのかもしれない』
「・・・なるほど、では、」

通信機の向こう、ロマ二の頷く気配がした。

『ああ、そうだ。みんな、
彼女の言葉は正しいかもしれない』

現在、秋たちのいる場所は、明らかに、
先程までの島とは気温や海流が異なっているという。

「では、もうしばらくすれば、
具体的な位置や場所も特定出来るかもしれませんね」

と、そこへ、乗組員の海賊が駆けてきた。

「姐御!北西に船が一隻確認できます!」
「ほう、旗は?」

見覚えのない海賊旗だそうだ。

「要するに敵だね!
全員準備しな! 仕事の時間だ!」

乗組員が一斉に頷いた。

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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時

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