ー 第三特異点 20 ー ページ21
ーー・・貴女はもしかして、女神では？
彼女の容姿は、
ローマに見たあの女神に酷似している。
しかしどうも様子が違う。
「は、？よくわからないけど、そうよ。
私は女神、エウリュアレ」
「・・なるほど」
ロマ二が零した名前にあったように思う。
そう、確か、ローマで会った女神、ステンノ。
彼女の、姉だったか妹だったか。
「貴方、人間ってことは�爛▲讚瓩離泪好拭爾茲諭�
あれ、なんとかしてくれないかしら」
「女神エウリュアレ。
どうやら、貴女は勘違いしています。
俺のサーヴァントはこのアルジュナですよ。
貴女の言う�爛▲讚瓩箸いΔ發里箸鰐鬼愀犬�と思われます」
「ん？んん？え？どういうこと？」
そのまま、普段はマシュが請け負う説明係を、
今回ばかりは秋が担った。
「な、なによ、それ！
あなたたち、紛らわしいのよ！」
ふぅう、と、深々と溜め息。
「それは失礼を。
結界を張って閉じ込められていたもので、
こちらも少しばかり気が急いていたようです」
「・・・あなた、いい性格してるわね」
「なんのことやら」
会話のなか、アステリオスが動きだした。
「あぁ、アステリオス！
動かないでいいのよ。
貴方頑丈なんだから動かなければ死なないから。
・・・死なないわよね？」
なかば頼むようにそう呟く。
「女神エウリュアレ、
単純な治療魔術ならここでも可能です。
お詫びに治療させていただけますか」
「えっ・・いいの？」
「喜んで」
秋は言うが早いか、
アステリオスの怪我の治療にはいり、
彼の体力も補充させて頂いた。
「さて、女神エウリュアレ。
あの結界はこちらのアステリオスさんが張ったもので？」
エウリュアレは頷き、
「でも、あれは元々、
他者を閉じ込めるためのものではなくて、
外から来る連中を防ぐためのものだったのよ」
「なるほど、そもそもそこから問題が発生していたわけですね」
それにしても、と秋は考える。
「お二人は結界を張って閉じ籠もらなくてはならないほど、
切羽詰まっていらっしゃるので？」
「・・・だとしたら、なによ。
心配しなくても結界は解除してあげるわよ。
そうじゃなきゃ、
アステリオスが死ぬしかないんだから」
「なら俺たちの船にきませんか？」
「は？」
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作者名：遊藍 | 作成日時：2019年5月4日 21時
