貧乏少女は知っている。

#39 ページ42

「俺らが来るまで何してた？」

黒木くんに何か探るような質問に私は内心焦りつつ平然を装い

「ふつーに片付けだよ。どうかした？」

と聞く。

「いや、何してたかなって思っただけだよ。俺もそろそろ帰るね。」

黒木くんがそういい、玄関に向かった。

黒木くんとはしばらく距離を取った方がいいかも。

そんなことを思っていると。

「ただいまー！」

「ただまー！」

優月と彩月が帰ってきた。

「うわー！きれいになってる！お姉ちゃん！黒木くん！ありがとう！」

「ありがとー」

優月と彩月が礼をいうと黒木くんはぽんぽんと二人の頭をなで「じゃあ」とだけいうと帰ってった。

「はぁ〜黒木くんかっこいいね…お姉ちゃんトキメかないの？」

「トキメかない。」

私がそう答えると優月ははぁぁあーとため息をつくと趣味の裁縫を始めた。


私には恋愛するなんて一生ないだろうな

このときまで私はそうおもっていた。

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