ただどうしようもなく胸が痛いのだ。 ページ13
映画を見終わってお互いに感想を話しながらコーヒーを飲んでいた時。
裕一郎のスマホが鳴った。
「ごめん、電話だわ。出てもいい？」
私はうん、と頷いた。
裕一郎はスマホを持ってベランダに出て行く。
私は自分のスマホを開いてSNSをチェックし始めた。
学校の友達、好きな歌手や雑誌の読者モデルのコメントをチェックしながらハートマークのボタンをぽちぽちと押していく。
その中に一つ、友達がシェアしたポエムアカウントの投稿があった。
“この気持ちは片思いで、叶わなくてもいいから傍にいたいと思ってたけど、そんなのは嘘だ。
好きって気持ちを隠してまで傍にいるくらいなら、いっそ離れてしまいたい。”
私の気持ちに似すぎていて、息ができなかった。
「……私、ずるいな…裕一郎に利用されてる振りして…ホントは私こそ……」
＿＿本当は私こそ、裕一郎の傍にいちゃいけないのに。
忘れてはいけない。
私は裕一郎のことを好きにならない女の子として、彼の隣にいるんだから。
私は、彼を守るためにここにいるんだから。
「…それでも、好きだよ」
そっと呟いた。
「おまたせ」
裕一郎が帰ってきた。
「うん。誰からだった？」
「あー…っと……クラスの、やつ」
ああ、告白だ。
私の直感が呟いた。
今の電話は、誰かからの告白だったんだ。
「…そっか。」
自分でもびっくりするくらい乾いた返事だった。
「……どうかした？」
裕一郎がそっと顔をのぞき込んでくる。
「どうもしないよ。ごめんね」
笑って誤魔化そうと顔を上げると、思わず目から涙が落ちた。
「あれ、なんでだろ」
慌ててぬぐっても、またあふれてくる。
「変、だね…ごめん、なんで泣いてるのかな」
私は顔を覆って下を向いた。
何が悲しいわけじゃない。
ただどうしようもなく胸が痛いのだ。
「A」
「へーき。すぐ止まるから。ごめん」
裕一郎は何も言わずに私をそっと抱きしめてくれた。
ぽん、ぽん、と優しく頭を撫でてくれる。
「…落ち着くまで、こうしておく」
裕一郎の顔は見えなかったけれど、どんな顔をしているのかはだいたい想像できた。
「ありがとう」
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Maco(プロフ) - 七虹*さん» そんなふうに言っていただけてとっても嬉しいです！！頑張ります！！！！ありがとうございます！ (2017年8月16日 19時) (
レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
七虹*(プロフ) - おおおお、面白いです！！！読んでて何故かテンパってます！！梅原さん小説読んでてここまで好みの小説ありませんでした！！頑張ってください！！もうかなぁり応援してます！！ (2017年8月16日 2時) (レス) id: c56f76e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
Maco(プロフ) - ザクロ@名前を変えたさん» ご指摘ありがとうございます！すぐに訂正します…！！！ (2017年5月21日 19時) (レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ@名前を変えた(プロフ) - 脱いで切るになってますよ〜 (2017年5月21日 18時) (レス) id: 1a1566ed9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maco | 作成日時：2017年3月28日 0時
