106話目 ページ6
Aside
私に抱きついて泣く迅さんは
いつもの大人な姿は無くて年相応の少年
いったいどんなけ未来を見て、背負って
傷ついて、それでも助けて、自分を責めて来たんだろう
A「落ち着きました?」
迅「うん…ごめん…彼氏居る子に抱きついて泣くなんて…」
A「あははっ、公平はきっと許してくれますよ。それに今の迅さんは年相応のでいいと思います」
迅「本当…出水が惚れるのも分かるよ(笑)」
A「...///」
泣いてスッキリしたのかちゃんと笑ってる迅さん
無理に笑ってる感じが無くていいなと思う
そして一番大事な本題に入る
A「…聞かせてくれますか?」
迅「…うん。その大規模侵攻で雨取ちゃんが狙われる。けど、雨取ちゃんとメガネくんがピンチになった時、Aちゃんは助けに行くんだ。そこでトリオン量が相手にバレて、雨取ちゃんと同じく狙われる…。メガネくんを庇って、Aちゃんに何かが刺さってる所までが、今俺が見えてる未来」
A「なーんだ、そんなことですか」
迅「え…?」
私が軽くそう言えばパッと顔をあげる迅さん
そりゃそうだ下手すれば死ぬか攫われるかの立ち位置で
こんなにあっさりしているんだから
A「そんな未来、私が捻じ曲げて見せますよ((ニコ。前の私とは違う…今は沢山動けて、戦える力がある…大規模侵攻が来る前に私はA級に上がって、千佳ちゃんも三雲くんも助けて見せる。だから…見ててよ迅さん」
迅「!!…ははっ…本当敵わないなぁ(笑)よしっ、お願いされちゃ仕方ない、君の未来をずっと見続けるよ((ニコ」
A「絶対ですよー?」
迅「あぁ、約束する」
A「よし、早くポイント貯めて強くなってA級にならなきゃ((ニコ」
迅「応援してるよ」
A「はい!では失礼します」
迅さんにそう言って足早に屋上を出る
少し離れた所まで走って止まる
ボタボタと床に雫が落ちる
それは私から零れ落ちる涙で、その場に蹲る
A「っ…う…グスッ…あぁっ…」
声にならない声が漏れる
明るく振舞っても、やっぱり今が楽しい分
死ぬかもしれないと言われて怖かった
まだやりたい事も沢山あるのにって
そう思うと悔しくて悲しくて何で私がって
その時聞こえた好きな人の声
出水「A…?」
A「ヒグッ…こ…へ…っ」
出水「っ…」
蹲る私を見て公平は私に駆け寄り
強く強く私を抱きしめた
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作者名:Yu-grena | 作成日時:2021年3月25日 14時