検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:52,895 hit

106話目 ページ6

Aside




私に抱きついて泣く迅さんは

いつもの大人な姿は無くて年相応の少年

いったいどんなけ未来を見て、背負って

傷ついて、それでも助けて、自分を責めて来たんだろう






A「落ち着きました?」


迅「うん…ごめん…彼氏居る子に抱きついて泣くなんて…」


A「あははっ、公平はきっと許してくれますよ。それに今の迅さんは年相応のでいいと思います」


迅「本当…出水が惚れるのも分かるよ(笑)」


A「...///」






泣いてスッキリしたのかちゃんと笑ってる迅さん

無理に笑ってる感じが無くていいなと思う

そして一番大事な本題に入る






A「…聞かせてくれますか?」


迅「…うん。その大規模侵攻で雨取ちゃんが狙われる。けど、雨取ちゃんとメガネくんがピンチになった時、Aちゃんは助けに行くんだ。そこでトリオン量が相手にバレて、雨取ちゃんと同じく狙われる…。メガネくんを庇って、Aちゃんに何かが刺さってる所までが、今俺が見えてる未来」


A「なーんだ、そんなことですか」


迅「え…?」







私が軽くそう言えばパッと顔をあげる迅さん

そりゃそうだ下手すれば死ぬか攫われるかの立ち位置で

こんなにあっさりしているんだから






A「そんな未来、私が捻じ曲げて見せますよ((ニコ。前の私とは違う…今は沢山動けて、戦える力がある…大規模侵攻が来る前に私はA級に上がって、千佳ちゃんも三雲くんも助けて見せる。だから…見ててよ迅さん」


迅「!!…ははっ…本当敵わないなぁ(笑)よしっ、お願いされちゃ仕方ない、君の未来をずっと見続けるよ((ニコ」


A「絶対ですよー?」


迅「あぁ、約束する」


A「よし、早くポイント貯めて強くなってA級にならなきゃ((ニコ」


迅「応援してるよ」


A「はい!では失礼します」






迅さんにそう言って足早に屋上を出る

少し離れた所まで走って止まる

ボタボタと床に雫が落ちる

それは私から零れ落ちる涙で、その場に蹲る







A「っ…う…グスッ…あぁっ…」







声にならない声が漏れる

明るく振舞っても、やっぱり今が楽しい分

死ぬかもしれないと言われて怖かった

まだやりたい事も沢山あるのにって

そう思うと悔しくて悲しくて何で私がって

その時聞こえた好きな人の声







出水「A…?」


A「ヒグッ…こ…へ…っ」


出水「っ…」






蹲る私を見て公平は私に駆け寄り

強く強く私を抱きしめた

107話目→←105話目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
設定タグ:ワールドトリガー , 出水公平   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Yu-grena | 作成日時:2021年3月25日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。