Ａ級ソロの彼女

２５話 ページ25

Aside


4年前の事を思い出していると優しく頭を撫でられる


顔を上げれば、しゃがんで頭を撫でる迅




迅「どーしたの」


A「…うるさい…ほっといて…」


迅「泣いてる子を放っておくほど俺は冷たくないんだよな〜」


A「…あっそ…もう…黙って…」


迅「思い出してるの？」


A「…ボーダー入ってからアンタにしつこく追いかけ回されたのをね」


迅「ははっ(笑)それに関してはごめんって(笑)」




笑いながらも私の手を握る迅


本当…ムカつくけど憎めない


こうやって不安で消えそうな時


あたかも偶然来ましたって顔をして隣にいつも居る


お互い恋愛感情なんて無いからこそ


昔からの付き合いだからこそ理解して、出来る距離感




A「…私…強くなった…？」


迅「うん、強くなったよ」


A「皆を守れるくらい…強くなった…？」


迅「うん」


A「…操術使う私は怖くない…？」


迅「怖くないよ。Aの素敵なSEだ。拒否の方は傷つくけど」


A「…ごめん…ありがとう…助けてくれて…」


迅「！…どーいたしまして」




軽く笑って手を離し頭を撫でる迅


憎めない、こういう所が憎めない





A「…はぁー…アンタに慰められるとか不覚だわ」


迅「えー心外だなぁ」


A「うるさい。絶対感謝してやんない」


迅「相変わらず辛辣だなぁ〜」




迅と話していると向こうから歩いてくる人


よく見ればそれは太刀川さんで




太刀川「あ！迅と花梅！いい所に！」


A「げっ」


迅「おっと」


太刀川「暇だろ！俺とランク戦しよう！」


二人「嫌だ」


太刀川「なんでだよ！頼む！１０本だけでいいから！」




必死にお願いする太刀川さんが面白くて


迅と一緒に吹き出す


なんで笑うんだよ！なんて言う太刀川さん


いや、笑うわ





A「はぁー仕方ないですね、１０本だけですよ」


太刀川「ありがとう花梅！じゃあ早速いこう！」


A「ハイハイ」


迅「頑張れ〜」





呑気に手を振る迅


不意打ちで攻撃してやろうと思い


軽く迅の服を引っ張って耳元に口を寄せる





迅「おっ」


A「ありがとう…悠一」


迅「！！」


A「ははっマヌケ顔(笑)」


迅「ちょっ、今のはダメ！」


A「知らないな〜」


太刀川「はーやーくー」


A「今行きます！」






たまには素直になってあげよう


ありがとう悠一、ずっと助けてくれて


そう思いながら私もブースに入った

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