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炭治郎side
怒ったように言われた言葉に止まってしまう
初めてだった、昔もこんな風に言われた事なかった
けれど目の前で涙を零すAさんの
抱えていた器が音を立てて崩れていくのが分かった
A「炭治郎に何が分かるんだ!!周りから期待される辛さも、調子に乗っているって言われる悲しさも、強く見えるように虚勢を張り続ける苦しさも、全部全部炭治郎には分からないだろう!!体術だって一度でも調子に乗った事なんてなかった!!昔の名残なだけで、私は私なりに努力してきたんだ!皆を守れるようにと昔からっ…ずっと...ッ」
炭治郎「Aさ...」
A「離せ...」
炭治郎「え...」
A「手を離せ...」
冷たく光のない瞳に見つめられ
思わず手を離してしまった
そのまま横を通り過ぎて出ていったAさん
追いかけたいのに足が動かずそのまま蹲る
炭治郎「もしかして俺は...知らない間に苦しめてたのか...?」
責任感があって強くて憧れだった
努力しているのも知っているつもりで居た
苦しみを一緒に抱えていた気で居た
けど実際は俺の思ってる、知ってる以上に
Aさんは努力して、自分を追い込んで
炭治郎「知らなかった...俺は...なにも知らない」
実弥「お前こんな所で何してるだ」
声が聞こえ振り向くと不死川さんの姿
炭治郎「俺.....Aさんを傷つけてしまったんです...知らない間に苦しめてた...」
実弥「よく分からねェが聞いてやる、こっち来い」
不死川さんの後ろをついて行き
空いてる教室へと入る
実弥「テメェは今日の事知らねぇからな、話してやる」
炭治郎「今日の事?」
そして不死川さんが話してくれたのは
今日体術の授業でAさんに
才能が無い、調子に乗ってると言った教室が居たらしい
実弥「アイツはよォ...一人で抱え込むわ、話さないわで中々手がかかる。昔からそうだ。昔、風の呼吸を押してえくれた師範が今日の教師と同じ事をアイツに言ったらしくてな、それを思い出したんだとよ。んで、今日は一人になりたいからって事で俺達も日野森に話しかけるのを控えてた」
炭治郎「そんな事が...」
実弥「お前に強く当たったのも八つ当たりしたくねぇからだろ」
それを聞いてさっきの態度も腑に落ちた
滅多に本音を零さないAさん
俺は自分の不甲斐なさに拳を強く握った
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琴音 - めちゃくちゃキュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年5月8日 16時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - え・・・『柱 最強の女』の(続き?)現代編、なんですか? ごめんなさい。知りませんでした。 (2022年5月8日 16時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - かれんさん» かれん様!コメントありがとうございます!トマトのくだりに触れて下さりありがとうございます、本当嬉しいです( ;∀;)あ、その後日談いいですね!どうせなら寒い国に飛ばしましょうか!()うわぁぁぁぁ嬉しいです!これからも頑張ります! (2021年2月25日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 明里さん» 明里様!嬉しいコメントありがとうございます!ハマるだなんて本当に嬉しいです!(泣)これからも頑張っていきますので、引き続き読んでくださると嬉しいです! (2021年2月25日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - それと後日談として、あの体育教師を他の地方に移動させるか、めっちゃ寒い国に飛ばすというのはどうでしょうか(;゚∇゚)この小説大好きなので。 (2021年2月25日 1時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yu-grena | 作成日時:2021年2月18日 19時