魔力はないけど魔法は使えます……使わないけどね？

27話 ページ28

「ひえ〜。焦った〜」
「超感じ悪いんだゾ、アイツ！」
「コラ！失礼だぞ！」
「グリくんも十分第一印象悪かったんだけど〜？」
『ああ…いきなり炎出されるとは思わなかったからねえ…』


「寮長、行ったか？」
「俺、違反してたから見つかったらどうしようかと思った。
　はぁ…食うものくらい自由にさせて欲しいよな〜…」


「え、覚えてるだけましでは？」
『……エース君、言われてるよ？』
「昨日入学したばっかなんだってば！」
「覚えろや、気合で」
「！！監督生…！そうだよな！気合で覚えるしかないよな…！！」
『あらら…デュース君戻っておいで』

「「……………」」


先輩方の表情が重い…
まあ、寮長に支持がないと内部崩壊を起こす危険があるからなあ…


「…寮長は、入学して1週間と経たずに寮長の座についた。
　少し言葉がキツくなりがちだけど、寮を良くしようと思ってのことで、根は悪い奴じゃないんだ」
「根が良いヤツはいきなり他人に首輪つけたりしないんだゾ！」
「いや、あれはグリくんが悪いし、君は人ではないから他獣かな？」
『まあ…根が悪くなくても、押し付けは良くないね…』
「「ははは……」」


エース君が言っている通り、彼ら1年生はまだ昨日入学したばかりなのに
初日で810条全て覚えろ、というのは無理があるだろうからね…

まあ、エース君の場合、寮のルール以前の問題だと思うけどね…


「そういえば、ユニーク魔法って何ですか？」
「ん？リドルくんのユニーク魔法のこと？」
「ユニーク……ということは、寮長独自の魔法、ということですか？」
「え…デューくん分かるの？デューくんなのに？」
『デュース君のことだから、面白いとか言うかと思った…』
「なっ！？僕でもこのくらいはわかるぞ！」
「ごめんって〜」
『失礼したね、デュース君。流石、選ばれただけあるね』


皆も要注意だよ？
ユニークは面白いとかじゃなくて、唯一とか独特とかって意味だからね？
たまにテストに出るから気をつけてね


「厳密に世界で1人かはさておき…
　一般的にその人しか使えない個性的な魔法のことを『ユニーク魔法』と呼ぶ。
　そのうち授業でもちゃんと習うと思うぞ」
「リドルくんのユニーク魔法は『他人の魔法を一定時間封じることができる魔法』
　その名も……
　首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)」
「ヒエッ！名前がもう怖ぇ〜のだ！」
「Aの予想当ってたね〜流石〜！」
『ふふ、ありがとう。ユウ』

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