Until I find true love (ページ37)

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episode36 ページ37

慎太郎side

水族館に着いたAさんは真剣に魚を見ていた。
そんな姿を見られるだけで嬉しくてまた好きなのを実感する。

体験コーナーの看板をじっと見ていたから誘ってみたらすごく嬉しそうな顔をしてくれた。
女の人ってこういうの嫌がるイメージあったから新鮮だったし躊躇なくナマコを触っちゃうとこも愛しくなった。

飼育員さんにカップルだと思われたことが嬉しくて調子に乗った自覚はある。
でも、もう少し欲張りたくなった。

Aさんとは濃い時間を過ごしてるけど出会ってまだ一週間しか経ってない。それに完全な片想い。

『嫌だったら断ってくれていいんだけどさ…手、繋いでもいい…？』

手を繋いでいいか聞いたのは結構な賭けだった。

A「…」

やっぱりだめか。

そうだよな〜まだ早いよな〜

『…あっちにクリオネいるらしいから行ってみない？バッカルコーンだっけ？あれ見れないかな〜……！！』

何もなかったように振る舞い先に歩き出そうとするとAさんから手を繋いできた。

『え…いいの？嫌じゃない？』

A「嫌だったら秒で断るよ」

そういえば高地も同じこと言ってたな。

嬉しくてAさんの手をぎゅっと握るとAさんも握り返してくれた。

『…好き』

無意識に出てしまった言葉に自分でも驚いた。

焦ってAさんを見ると暗くて分かりづらいけど顔が赤い気がする。

A「クリオネ行こ？」

そう言って俺の手を引いて歩くAさん。

そんな顔されたら期待しちゃうよ？

結局バッカルコーン？は見れなかったけど全然こっちを向いてくれないマンボウに必死に話しかけてるAさんを見れて俺は大満足だった。