3色の花嫁【uszw】【fz】

フジエンド2 ＋α ページ37

牛side

｢やめて……フジ…もう…やめてよ…｣


イヤホンから流れるAの苦痛の声



今度はすすり泣く声が聞こえた



すかさずAに電話をかける


｢…もしもし？うっしー？｣


牛｢もしもし？

いきなりごめんね〜

結婚生活にはもう慣れた？｣


｢…うん！毎日幸せだよ！｣


嘘つけよ


牛｢そういえばさ…｣


・


・


・



Aと昔の思い出話をした


楽しかった頃を思い出させるために


わざとね…


牛｢でさー、そしたらAが
思いっきりコケてさ〜｣

｢そういえばそんなこともあったね！


…あの時は楽しかったな〜｣


牛｢楽しかったね…

でもあの頃からAを幸せに
できるのはフジだけだったんだろうな…｣


｢えへへ…そうだね…｣


わざと大きくため息をつく


牛｢…いつまでそうやって嘘つくの？｣


｢…え？｣


牛｢知ってるよ、声でわかる

本当は辛いんでしょ？｣


｢………｣


Aは黙ったままだった


もしかしてフジに口止めでも
されているのだろうか？


牛｢大丈夫…何も言わなくていいから
俺の話だけ聞いて…｣


牛｢俺、Aが心配なんだ

前に会った時だって顔色悪かったし

それにたくさん痣もあったし｣


牛｢きっとAのことだから
誰にも相談できなかったんじゃない？｣


盗聴器で聞く限り誰にも
相談してなかったし


牛｢1人でよく頑張ったよ
えらいぞ、えらいえらい｣



牛｢でもこれ以上傷ついてほしくないんだよ

Aには幸せになってもらいたい｣



牛｢できることなら

俺がAを幸せにしたい｣



Aが声を抑えて泣いていた



牛｢ねえ、A




やっぱ俺じゃダメかな？｣




｢…だめだよ

フジには私がいなきゃだめなの

私がフジのそばにいてあげないと
壊れちゃうから…｣


牛｢…そっか｣


フ｢ねえ、誰と話してるの？｣


電話越しにフジの声が聞こえた


｢…誰とも話してないよ｣


フ｢嘘つけ…スマホ見せてよ｣


フジがAからスマホを取り上げる前に
通話を切った


盗聴器の電源を入れる


フ｢何回も言ってるよね！
他の男と連絡するなって！｣


どうやら履歴を見られたらしい


｢ごめんなさい！もうしないから！｣


フ｢物わかりの悪い女だなぁ！｣


｢…ごめん…なさい…｣




可哀想なA…





こんなやつに依存しちゃってさ




壊れちゃうのはAの方だよ




Aを幸せにできるのは
誰なのか早く気づいてよ







それまで、待ってるからさ。


.

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