3色の花嫁【uszw】【fz】

牛 VS フジ 25 ページ29

フジside

正直お酒を飲む気になんて
なれなかった

それはあの豪酒のうっしーも
同じようだ

Aはキヨと二人で話している
大事な話があるらしい


多分あの話だ


一足先に俺に教えてくれた


牛「なあ、ちょっと二人で話さね？」


フ「…いいよ」


・

・

・

飲みかけの缶ビールをもって
ベランダに場所を移した

牛「俺らってAにとって何だろうね？」

フ「…友達じゃない？これの」

片方の手で輪を作り指を出し入れする

牛「やめろよ、俺は真面目に聞いてるの」


フ「何とも思ってなかったりして」

牛「それは……そうかもな」

フ「Aから聞いたんだけど

あいつ一人暮らし始めたいらしいよ」

牛「そうなのか」

フ「たぶん今キヨとその話してるんじゃない？」

牛「あのAがキヨの元を離れるのか」

フ「まずキヨがそれを許すかだよね」

牛「許すわけ…」


「こんな家さっさと出ていってやる！」

下でAとキヨが言い争う声が
聞こえた

キ「出てけ出てけ！世間知らずの
クソガキが！調子に乗るなよ！」


「お兄ちゃんなんてもう大っ嫌い！」

キ「二度と帰ってくんな！」


2人が喧嘩した時のお決まりのセリフ


フ「まあ、だろーな」

牛「いつもの喧嘩が始まったね」

もう俺達も慣れっこだ

フ「いつもどうり仲裁に入るか」

いつもは俺とうっしーとヒラがAを
こーすけとレトさんとガッチさんがキヨを
なだめている

空になった缶ビールをもって
ベランダから出ようとしたとき

牛「おい！A！どこ行くんだよ！」

うっしーがベランダから身を乗り出し
叫んだ

下を覗くとAが泣きながら
家を飛び出して行った


急いで1階に降りると玄関で
キヨが立ち尽くしていた


フ「キヨ！Aを追いかけなきゃ…」

キ「うるせえ！いつものことだ

どうせすぐ戻ってくる」

フ「もう夜中の1時だよ

こんな夜遅くに女の子1人は…」

キ「だったらお前が探しに行けば
いいだろ！？

知らねーよあんな奴

こっちの気も知らないで…」

キヨの目からポロポロと
涙がこぼれる

フ「Aに本当のこと言ったの？」

キ「…いや」


フ「キヨ、一緒に探しに行こう？」

キ「…やだ」


フ「この時間は危ないよ」

キ「…いかない」


いくら兄妹でもAと同じ方法で
なだめてもダメっぽい


フ「どうすれば…」





こ「あー！また泣いてる」

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