【MHA】アンタがいなきゃ死ねたのに。【エリ】 (ページ10)

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心はザルそれはズルページ10

客が来ていた。私の病室にじゃなくて、エリに。じっとなにかを睨みつけるように、看護師の背後で隠れながら一部始終を眺めてた。
私の存在に気づいたエリは、「ひっ」と両手を胸元に当てて縮こまるように、怯えためでこちらを見ていた。

緑谷「夏弥ちゃん、、」

通形「･････あのねぇエリちゃん、多分だけど、、」

知らない。面白くないから、その場を離れた。もういいんだ。

･

私のところにも来た。何故かバスケットに入った大量の果物を持ちながら、リンゴを頬張りながら。一見真面目そうに見えた後輩と思われる少年は、何故か上機嫌でニコニコしていた。

通形「ひゃあひゃんひはいひひはんはよへ(夏弥ちゃんに会いに来たんだよね)！！」

「私にじゃなくて、エリにでしょ。」

通形「･･･トゲがあるね！！！！」

壁にもたれかかっているあいざわ？が呆れたような顔をして、ため息をついていた。助けて、と視線で訴えれば目をそらされた。

通形「フルーツ持ってきたんだよね！夏弥ちゃんは何が好き？あっ！ぶどうでしょ、そんな顔してるもんね！！」

「、知らない」

緑谷「夏弥、ちゃん、、、」

まともな食事なんてしたことないし、いちいち食べるもの一つ一つの名前なんて覚えていない。別にあの時のことを気にしてる訳でもないし、特にどうも思ってないのに背を向けて耳を塞いでしまうのは、多分八つ当たりなんだろうけど。
ヒーローはもっと忙しなく動いてるもんだと思ってた。

緑谷「えっと、文化祭！一緒に行かない！！？？」

「どっちでも、なんでもいい」

通形「エリちゃんは行くんだよね！」

「、、ずる、」

文化祭、なんだそりゃ。決定権なんて私には無いから、どっちでもいいと答えればエリは行く、と聞いてないことも言われた。それだけでその気になっちゃう私も馬鹿だって話なんだけど。