【MHA】アンタがいなきゃ死ねたのに。【エリ】 (ページ5)

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空気より薄くそれでいて残酷にページ5

音本の手にしている銃で体を打たれたヒーローは、個性を失う。

だから言ったでしょ。

どうせあの人には勝てないのに、なんで個性を失ってまで、命をかけてまで人を助けたがるんだ。所詮は他人、自分の責任にもならないし、私たちが死んだところで悲しむ人なんていない。

･

__________治崎が追い込まれている。

「うそ、、でしょ、」

壁越しにでも分かるほどの衝撃音、振動、そしてヒーローの負けないという意思。あの後すぐに他の増援が来て、みんな私を見るなり目をこれでもかというくらい大きくした。ここで私に人員をさけば人手が足りなくなることは目に見えている。だから私はもう死んでいる、もしくは意識が無くなっていることにしておく。息を潜めて、バレないように。なのに、

「え゛」

何故か私は体が繋がり、気づも痛みもなくなっていた。

治崎「来い、」

ここで逆らえば何をするかわかったもんじゃない。大人しく、個性であの人の側へと行く。「ダメだ、来ちゃダメだ！！」と制止をかけるヒーローの声も気にせず、ただ目の前の人の機嫌を摂るためだけに自分の命を犠牲にする。それが、あの子が生き延びる最善策ならば。

「エリは、どこ、」

ここにいたはずのエリの姿が見当たらなくて、人質に取られたまま顔を前後左右に動かす。なのにどこにも見当たらなくて、まさか、と思いあの人の方に顔を上げる。

「殺したの、、！？」

治崎「、、、ヒーローに取られた。」

安心と不安でジレンマしている気持ちを押し込んで、ここからの打開策を見つける。もちろん私のじゃなくて、あの人の。