なんにもなんにも死屍累々 ページ14
目を開けたら、そこは数分前と同じ光景だった。それでも、窓から見える夕陽は私に時間の経過を伝える。私が起きたことを悟ったあいざわは何も言わなかったし、何も聞いてこなかった。
･
通形「夏弥ちゃん、またね！」
「もう来なくていいって。」
通形「おはよう！！今日も今日とてやることないから会いに来ちゃったんだよね！」
「あっそ」
通形「夏弥ちゃんは数学得意ー？この前は国語が得意って言ってたよねえ」
来るなと言っても、この男は1週間のうち3回は必ず来る。くだらない話をして、終わりの見えない、溜まりに溜まった課題を片しに来る。きっと夏弥ちゃんも暇だよねって高校生の内容を半分くらい手伝わされる。
通形「俺でも全然解けないのになんでできるの？勉強は好きだったの？」
「普通。やらないと、やらない、と、 」
なんでできるのって聞かれたから、答えを記憶の引き出しから引っ張り出そうとする。でもそこにあるのは真っ暗で鉛のように重い鉄球のようなものだけで、思い出したくないって体が拒絶する。口に両手を当てながら、カタン、とシャーペンが机に叩きつけられる音を黙って聞く。
頭にガンガンと響くあの人の声。通形の声より何倍も大きく響き渡る声。
なんでそんなことすらできないんだ、
なんで、なんで、
私はただの泣き虫な少女になるはずだったのに
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃべ - めっちゃこの話好きです！！！！更新待ってます！！！！ (3月30日 8時) (
レス) @page16 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 寧さん» なるほど！了解です！！ (3月19日 19時) (レス) id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
寧(プロフ) - 舞さん» はい、雰囲気を大事にしたかったので、、すみません！ (3月19日 18時) (レス) id: 8bbef4c55e (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 寧さん» 夢主の名前は固定ですか？ (3月18日 21時) (レス) id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - お話の雰囲気めっちゃ好きです！！！ (3月17日 17時) (レス) @page13 id: 97005589b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：寧 | 作成日時：2023年12月18日 20時
