【MHA】アンタがいなきゃ死ねたのに。【エリ】 (ページ13)

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不幸女児ページ13

通形「じゃあ、俺たちは校内を見学してくるから！夏弥ちゃんをよろしく頼んだー！」

「え、」

エリが私と回るのが嫌だと言ったからなのか、別々に時間を過ごすことに。知らないところに勝手に連れてきておいてどこ行くんだよって通形に視線を送れば、みんな優しいから大丈夫ーって気休め程度にもならない言葉をかけられる。

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蛙水「紅茶は飲めるかしら？良かったら飲んでいいわよ」

「どうも、」

麗日「A組はダンスするんだ！あっちの女の子が歌って〜私たちが踊るの！すっっごい演出も考えてるんだ！」

力漲る！と腕をまくって見せた女の人。紹介された人の方へ視線を向ければ手を振られた。出された飲み物を口にしようとカップを持つ。したら、思いのほか熱が手に伝わってきて、思わずあつ、って声が漏れる。

麗日「あ！熱いよねごめんね〜！梅雨ちゃんスプーンとかある？」

たった一つの小さな小さな助けての声。それすらも見逃さない、水槽の中を覗くように凝視してそらさない。あの地獄のような日々が嘘みたいに、毎日毎日ご飯を与えてもらえる。こんな幸せに包まれた今、ああ私は不幸だったんだと気づく。

麗日「夏弥ちゃん！？どうしたの！？」

「別に、なんでも、」

片目から涙がこぼれる。まるでコップから溢れた水のように

最初から

普通の幸せを感じて、

普通に愛情を注がれて

普通に人と笑いあって

普通の家庭に生まれてたら、私にもそんな未来があったのかなあ

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